第2551冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • ライバルを研究し尽くす


もしあなたが昇進を狙っていて、ライバルがいるのなら、新しい役職に求められている資質や能力を理解し、完璧に自分のものにしなければならない。必要な応募書類もそれに合わせて書き、面接で話す内容もそれに合わせて筋書きを作る。あなたは理想的な候補者を、完璧に体現しなければならない。


同時に、ライバルを研究することも必要だ。たとえば、あなたの狙っている地位がコンピューター販売部門のトップだとしよう。


まずは自己分析からだ。あなたの自己分析は「営業経験あり」「商品の知識は十分」「管理職の経験なし」だ。次に、ライバルをチェックしよう。


一人目のライバル、トニーは「営業経験がない」「商品知識は豊富」「管理職経験も長い」。もう一人のライバル、サンドラは「営業のエキスパート」で「コンピューターの知識がない」。「管理職経験は十分」だ。


あなたを含む三人の中で、理想の候補者は誰だろう。それは、経営陣が何を重視するかによって決まる。三つの能力のうち、経営陣が最も重視するのはどれなのか。あなたはこの答えを注意深く探り出さなければならない。次のような観点を持つといいだろう。


職務内容説明書をよく読む。
現在その仕事をしている人に話をよく聞く。
経営陣の考えを探る。


あなたが備えている能力が最も重視されるのなら、ライバルは一人減ったことになる。そこからは二頭の馬のよるレースだ。


しかし、あなたの弱点が重視されるとしたら、それ以外の能力が重視されるように仕向けなければならない。面接では、管理職経験が不足していても、それがあなたを採用しない理由にはならないことを証明する必要がある。


たとえば、この仕事には製品に関する深い知識が不可欠だと訴える――営業の重要性を熱く語り、一つの部署が生きるも死ぬも、営業成績次第だと訴えるのだ。もちろんこれは一つの例にすぎない。現実の世界は複雑だ。