第2498冊目 人の印象は3メートルと30秒で決まる―自己演出で作るパーソナルブランド 江木 園貴 (著)


  • ありがとう上手になろう


「ありがとう」という感謝の言葉は、同じフレーズでも時と場所によって、使うニュアンスが異なってくるものです。


軽いノリで「サンキュー」と言うものから、「本当にありがとう」と目を見つめるか、手を握るなどして伝えるもの、「ありがとうございます」と深く頭を下げて述べるものなど、シーンによって使い分けが必要です。


日本人は感謝の気持ちを述べるのが苦手な人が多いようです。ボディ・ランゲージがあまりにも少ないですし、たとえ好きな相手やパートナーにでさえ、「ありがとう」を言えない人が多いのです。「愛しているよ」を言わない男性も、「軽く使う言葉じゃない」と思っているかもしれまんせんが、それは言い訳です。


以前私がインタビューをさせていただいた、とある上場企業の社長は、結婚してから28年間、朝家を出るときに、「愛してるよ」と言いながら、行ってきますのキスを欠かしたことがない、と言います。「たとえ錯覚でも、行動し続ければ、実際に気持ちがついて来るよね」とその社長はおっしゃいました。


その効果と同じことで、「ありがとう」も素直にいつも口に出す習慣をつければ、行動に気持ちが伴い、相手に感謝が伝わります。できるエグゼクティブ、ビジネスウーマンたちは、一様に「ありがとう」上手です。


それを恥じらいやためらいで、言い惜しんでいると、だんだん口は重くなり、本当に伝えなければならないときに、大切な一言が出てこなくなるものです。本当は感謝の気持ちがあって伝えたいのに、身近な人すぎて、ないがしろにしてしまう、これが一番よくないパターンです。身近な人にこそ、感謝の気持ちを伝えましょう。


夫婦や交際相手という男女間に限らず、ビジネスの人間関係においても、「ありがとう」と言われると、人はそれだけでうれしくなるものです。「この人のお役に立てた」とか、「自分の仕事が評価された」と、ささやかでも幸福な気持ちになるものです。言われてうれしいことは、こちらからどんどん言い惜しみせずに、あなたに関わるすべての人に、「ありがとう」を伝えましょう。


言葉以外に「ありがとう」を伝える方法として、手紙や贈り物、気軽な差し入れや、お中元やお歳暮などで、気持ちを表す方法があります。高価なプレゼントを贈る必要はありません。さまざまなバリエーションを用意して、あなたも「ありがとう」上手になりましょう。