第2356冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

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プレゼンテーションの途中で、何かを失敗したとしよう。口ごもった、不正確なことを言った、要点の説明を飛ばした。あるいは突然、頭が真っ白になるかもしれない。


ここで自己批判は始まると、闘争・逃走反応が始まる恐れがある。脳が合理的に思考する能力など、生存に「不要な」機能を停止してしまうかもしれない。思考停止は、プレゼンテーションの最中にいちばん避けたい事態だろう。


では、どうすればいいか。


幸い、あなたは批判的な思考に伴う感情が前回になる前に気がつき、その精神的な違和感を素早く変えることができる(現実を書き換えるテクニック)。自分がおかした失敗は「善玉」だから闘争・逃走反応を止めてもだいじょうぶだと、考えるだけでいい。新しい概念に対し、脳はまず正当なものだと受け入れ、不信感を抱くまでに数秒かかる。その前にあなたは新たな自信を得て先に進むというわけだ。


たとえば、ビジネス界の大物やエンターテイナーは、聴衆との距離を縮めるためにわざと失敗するときもある。ウォルマート創業者のサム・ウォルトンは演壇に向かう途中で手帳を落とした。フランク・シナトラはステージに上がる前に、シャツの襟を慎重に乱した。あなたも彼らと同じだ。