第2345冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 大切なのは誠意


「あなたの考えを理解したいので教えてください」という心構えで会話を始めると、結果がまったく違ってくるだろう。何でも聞きたいという開かれた精神状態は、声や表情、言葉の選び方、体勢に影響を与え、感情の流れを劇的に変える。善意が顔に表れ、あらゆふ微表情ににじみ出るのだ。


この本で学んだツールを使って謝罪のやりとりに誠意を吹き込み、優しさのカリスマを呼び起こそう。顎を引いて、目はしっかりと開き、穏やかな声でゆっくりしゃべる。頻繁に間をおいて、相手が口を挟みたくなったときに割り込める余裕をつくっておく。


相手の不満をきちんと理解したと確信し、自分が悪かったと思うなら、次は本物の謝罪をする。必要な言葉は驚くほど単純だ(ただし、本当に重要なのはボディランゲージだ。プレゼンスと誠意をこめた「申し訳ありません」の一言が、奇跡を起こすだろう。


重要なのは、思慮深さや心遣いを伝え、あなたが自分の問題として認識していることを伝えることだ。たとえば、自分が悪かったのだという主語を明確にしてしゃべる。肝心なのは誠実さだ。相手をなだめるために謝っているのではなく、本気で申し訳ないと思っていることをわかってもらわなければならない。


自分の行動(あるいは行動を起こさなかったこと)が直接もらたした結果だけでなく、その影響も理解していることを明確にする。仕事の問題なら、今回の間違いがチームの目標やビジネス全体の成功にどんな影響を及ぼすかを、あなたが理解していることを説明する。そのうえで、事態を収拾して二度と同じ過ちを繰り返さないために、あなたがやるべきことを示す。どんな行動を取るのか、できるだけ具体的に説明する。


どんな人でも間違いはおかす。しかし、ここで説明した謝罪の基本を守れば、ミスをチャンスに変えることもできる。困難なやりとりも、うまく対処すれば絆を深める経験となり、人間関係がさらに深まるだろう。