第2346冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 謝罪――最悪の事態にどうするか


あなたは大失敗をやらかした。メールで「全員に返信」間違えてクリックした、数字を確認し忘れた、宿題を犬に食べられた……。とにかく問題が起きて、事実かどうかはさておき、あなたのせいだと思っている人がいるとしよう。でも、心配はいらない。うまく対応できれば、恥ずかしくなるおうな失態もきっと好転する。


意見の相違や衝突は結果的に人間関係を改善し、最後には素晴らしい経験だったということになる。最初からうまくいくと、心のどこかにためらいを感じるだろう。いまのところすべて順調だが、風向きが変わったらどうすればいいのか、相手はどんなふうに反応するだろうか。一方で、難しい状況をうまく切り抜けられると、この人間関係は困難にも耐えられると思えるようになり、不安は解消される。


私にとって最初のクライアントの1人は、仕事上の人間関係が始まったばかりのうちは、小さな間違いはすすんでおかしたと語っていた。「たいていの人は中途半端な謝罪でお茶を濁すが、間違いを経験しておけば、きちんと謝罪が身につく」。別のある起業家は、失敗を成功に変えることが得意だと胸を張っていた。そこで、カリスマらしい謝罪を準備段階から見ていこう。


まず、適切な精神状態を整える。ここでは「自分を許す」という意味だ。普通は逆だと思うかもしれないが、(あなたが間違っているかもしれない状況でも)思いやりを自分に向けることは、否定的なボディランゲージで事態を悪化させることを防ぐためにも不可欠だ。声や体勢、表情に自己防衛の兆候を出さないようにするためにも、大いに役立つ。この本で学んだあらゆるツールを使って、自己への思いやりを保つこと。