第2315冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • カリスマ的なボディランゲージ


MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの大規模な研究によると、交渉やセールスの電話、事業計画の提案に関し、実際に交わされる言葉をいっさい聞かずに当事者のボディランゲージを分析するだけで、交渉の結果を87%の確率で正しく予測できるという。


信じられないと思うだろう。人が何を伝えようというときに、ボディランゲージに比べて言葉の重みはそれほど軽いのだろうか。だが、実は筋の通った話でもある。人類の進化において、言葉は比較的新しい発明だ。私たちの祖先ははるか昔から、言葉以外のコミュニケーションでやりとりしてきた。その結果、非言語コミュニケーションは人間の脳の回路にしっかりと組み込まれており、後から発達した言語処理能力より深く根づいている。したがって影響力もはるかに大きい。


カリスマに関しても、ボディランゲージは言葉よりはるかに重要だ。メッセージの内容がどんなに力強くても、口調をいかに工夫しても、ボディランゲージがふさわしくなければカリスマになれない。そしてボディランゲージが完ぺきなら、一言もしゃべらなくてもカリスマを発揮できる。ボディランゲージを通じてプレゼンスとパワーと誠意を伝えるだけで、カリスマと認められることもできるのだ。