第2307冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 目上の人を尊敬せよ


「うちの上司ってさあ、ダメなんだよね」


同期との会話の中で出てきそうなセリフです。


相手を見下していると、無意識のうちに行動に表れるものです。上司を嫌ったり、馬鹿にするメリットは、何もないのです。


確かに、人には欠点があります。その上司にも、至らないところがあるのは事実でしょう。しかし、人は誰しも、良いところを学ぶべきところを必ず持っているものです。人の悪いところを見るのではなく、良いところを発見して、その部分を尊敬してください。


人によって、仕事に対する取り組み方はそれぞれです。誰からも優秀だと認められる人のやり方だけが正しいわけではありません。年齢を重ねていれば、それなりに経験を積んでいるので、必ず良いところがあるものです。


心の底からその経験を、頼りにすれば、必ず何らかの得るものがあるものです。そしてその上司も、自分のことを尊敬してくれていると感じ取ったら、あなたのことを認めてくれると思います。


「Managing Your Boss」(自分の上司を上手にマネージせよ)」


ハーバード・ビジネス・スクールの授業で出てきた言葉です。良い上司は良い部下が作る。よほど頭の固い人物でない限り、こちらの接し方次第で相手も変わると思います。


僕は年上の人に可愛がってもらえることが多いです。それは「甘え上手」という一面があることが理由の一つではあります。


「この人は自分よりも経験が多いから、多くのことを教わることができる」


こうした気持ちを持って接していれば、相手に伝わるものなのです。


むろん、これをテクニックとして捉えてもらっては困ります。


他人に対して敬意を払うことは、人としての基本。ビジネススキルでもテクニックでもありません。


「この人の良いところはどこなんだろう」


「この人が持っていて、自分にないものは何なんだろう」


真摯な姿勢で見つめれば、必ず見つかるものです。そして、その点を学ぶことができれば、自分の成長に必ずプラスの影響をもたらしてくれるはずです。