第2237目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳) 


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 服装の威力


私が服装の威力を実体験で学んだのは、警察官になったときだった。制服に身を包んだばかりのころの気持ちは、今もなおありありと思い出せる。パッジをつけて帽子をかぶると、すべてがビシッと決まった。部屋から出る前には、最後にいつも鏡をチラリと見たものだ。そこにはまったく違う人物が見えた。それが私の新しい人格だったから、私のその人格に見合う人間になるよう、努力を重ねた。卒業式や結婚式、軍隊の式典で礼儀正しい服装をし、チームスポーツで揃いのユニフォームを着用し、演劇でもきちんと衣類をまとう理由は、ここにある。着るものが人が行動を決め、しなければならないことに対して、心身の準備を整えるのだ。職場では仕事に立ち向かう戦死の服装を身につければ、それが人格となる。


これを確かめてみたかったら、結婚式や礼拝や何か特別な行事に出席するために正装とした人を観察すればいい。行動がいつもと変わっていることがわかるだろう。いつもより礼儀正しく、まわりの人にも自分にも気を配っている。服装は私たちを変身させる。


服装が人の印象や行動に影響を与えることは、研究によって確認されている。制服を着ている子どもたちは、私服の子どももり行儀よく振る舞い、成績もよい傾向がある(私立学校の成功の一端を担っている)。黒いユニフォームを着ているスポーツ選手は、ほかの色を着たチームよりファウルを犯す割合が高く、より攻撃的だ。