第2218冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫) ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 首に触れる


手の行動に注目しているこの章で、首に触れる動作を取り上げるのは、手に注目していると、最終的には首に行きつくからだ。話をしながら首を(どの場所でも)触れる人は、いつもより少し自信がない。ストレスを癒していることもある。ストレスを感じているときに、首のあたりや喉や喉もとのくぼみを手で隠す動作は、脅威や不快感、不安や疑問、または感情的な高ぶりなどを、脳が積極的に処理していることをはっきり表している。ごまかそうとする人は、問題に突き当たるとこうした行動を見せることはあるものの、この行動自体はウソとは関係ない。だからここでも手の動きに注目していれば、不快な気持ちや苦痛が表面に浮かびあがるにつれて、手がうまく対応して首を覆ったり、首に触れたりするのが見える。


私はこれまでに何度となくこの行動を目にしてきたが、たいていの人はその重要性に気付いていない。つい最近、会議室の外で友人と立ち話をしていると、同僚の女性が片手で喉もとのくぼみを隠し、もう片方の手で携帯電話をかけながら部屋から出てきた。友人は何事もなかったかのように話を続けていた。女性が電話を終えたところで、私は友人にこう言った。「彼女がどうしたのか、確かめたほうがよさそうだ。何かうまくいっていないみたいだから」。思った通り、彼女の子どもが学校で高い熱を出したので、すぐに帰宅しなければならなかった。首を触れる動作は信頼性が高く、正確なので、注目する価値がある。