第2157冊目 できる人の仕事のしかた  リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた


「言うべきとき」と「言うべき時期」を見極める


ここまで「嘘をつかない」ことも、「隠蔽工作に手を貸さない」こともルールとしてきた。だからといって、何もかも真っ正直に、自分から進んで情報を提供することはない。


嘘をつかないことと、知っていることを洗いざらししゃべることは同じではない。ときには、知っている内容を少し編集して話したほうがいいこともある。


同僚が何かヘマをしたからといって、すぐに上司のところに駆け込んで報告してはだめだ。一歩引いて状況を静観したほうが、利益になることは多い。あなたがそれを誰にも話さなければ、同僚は恩義を感じ、後で何かしらのお返しをしてくれるかもしれない。


密告が得意な「先生のお気に入り」になる必要はないのだ。周りを冷静に観察し、話すときと、口を閉じているときを見極める。そして、質問をされたら嘘はつかない。


あなたが目指すべきは、優秀な「外交官」になることだ。または「戦いながら最高の手を考える武術の達人」や、「相手に自分の問題を告白させるが、自分の問題については黙っているセラピスト」でもいい。あるいは「すべてを知っているが、ほとんど口を開かない禅マスター」だ。