第2153冊目 20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール 成田 直人 (著)
- 作者: 成田直人
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2011/11/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 考え抜く習慣を作る
若手社員を中心に研修をしているときに、彼らからよく聞く口癖があります。それは、「難しい」という言葉です。
研修中に個々で考えるワークがあるのですが、始まるやいなや「難しいな……」と言うのです。まだ始まって数秒にもかかわらず、です。
諦めるのが早すぎる、と私は感じます。
たとえば、「客単価が思うように上がらない理由は何ですか? 20個書いてください」と課題を出します。すると、はじめの2〜3個はすぐに出るのですが、その後は「いや〜難しいな……」とネガティブな言葉が出てきます。
私はこの言葉を聞くたびに、「日ごろから目の前の結果について考え抜いていないんだな」という印象を受けます。
考えるよりも、考えない方が楽です。そのため、安易に選択して選んでいる点に危機感を感じます。
研修中に「難しい」を連発する若手社員には、私は「20個アイデアが出るまで帰れませんよ」と、いつも伝えています。
思考の枠組みをさらに拡張するためにも負荷をかけています。
弊社の研修の中には、一泊二日で高級ホテルに宿泊をして、セルフイメージを高めた状態でラウンジや部屋で考えることだけを行うものがあります。
ものの数時間で経営者の皆さまはぐったりします。それほど考えることは負荷がかかります。
この研修では、アイデア出しのため、ポストイットを役1000枚使います。この中から厳選したアイデア60個を実行に移し、成果につなげていきます。
当然60個挙げた中の60個より、1000個挙げた内の60個ですから、質が違います。アイデアの質が、成果の度合いを決定するのです。
あなたも、一度カフェにポストイットを持ち込み、目の前の課題でもよいですから、それを解決するアイデアを生み出す時間を作ってみてください。
もちろん目標は20個です。「終わるまでカフェから出られません」(笑)。
そして、自分自身に投げかける言葉を「あと1個理由を挙げられるとしたら?」と変えるよにアドバイスしています。
すると、はじめは無理と思っていたことが、不思議とできるようになるのです。
自分に使う言葉を変えるだけで、生産性が大きく変わります。
目の前の壁を乗り越えるためには良質なアイデアが必要です。このアイデアは考え抜かないと生まれません。
このアイデアを生み出す能力は、特に役職が上がるつれて重要になります。
先ほどの若手社員研修では20個のアイデアを出すレベルでも、経営者には30個を要求します。しかも制限時間も短くします。さらに考えることに負荷をかけています。