第２１３５冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)

できる人の仕事のしかた

• 会社全体のプラスになる提案をする

会社全体にとってプラスになるような変化を提案する。自分の仕事だけでなく、自分の部署だけでもなく、会社全体だ。そうやって社内で名の知れた存在になるのは、ビジネスパーソン冥利に尽きると言えるだろう。

一つ例をあげよう。以前働いていた会社には、社員が意見を投稿できる箱が置いてあった。どのこ会社でもだいたい同じだとは思うが、誰もが意見箱には意味がないと思っていた。

しかし、ある目立たない女性社員が、シンプルだが目からうろこが落ちるような提案をして、みんなが箱の価値を見直すことにある。彼女は、会社が出す郵便物は、妥当な理由がない限り、速達ではなく普通郵便で出すべきだと提案した。会社はそれまで、すべての郵便物を速達で送っていたのだ。いまどき速達も普通郵便も届く時間に大差はない。

この女性の提案は、次のような理由でまさに模範的だった。

シンプルで分かりやすい。長々として説明はまったく必要ない。
すぐに実行することができる。
簡単に導入でき、なにより、会社にとって大きなコスト削減となる。

目立たなかった一人の社員が、経営陣から賞賛の的となり、一夜にして会社のスターになった。私たちだどんなに羨ましがったか想像してもらいたい。

あなたも自分の仕事をよく観察し、会社全体のプレスになることがないか考えてみよう。もっと安くする、もっとスピードを上げる、もっといい結果を出すような方法だ。

または、自分の持っているリソースがみんなの役に立たないかを考える。そんなリソースを自分で作り出してもいいだろう。たとえば、会社の電話システムのわかりやすいマニュアルを作り、すべての部署の新人研修に使えるようにするといったことだ。

ここまで読めば、きっともうお分かりだろう。誰がもつかる資産を作れば、その資産が使われるたびに、あなたの手柄も思い出される。本当に人の役に立てば、結局は自分が一番利益を受けることになるのだ。