第2107冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • クールに適度な距離を保つ


職場では常にクールであること。どんなことがあっても威厳を失ってはならない。オフィスで仮装パーティーがあっても、一緒にジョークを言って笑うのはかまわないが、バカな仮装は他の人に任せておこう。


しかし、そんなことをしたらお高くととまっていてノリの悪い、いけ好かないヤツという評判が立ち、嫌われてしまうのではないだろうか? そんな心配はいらない。ルールを実践すればプレスリーや妖精の格好をしなくても、好感を持たれ、尊敬される。


チャリティには気前よく寄付しても、そのために赤い鼻をつけることはない。少なくとも私語中は、あなたは決して羽目を外さず、いつも洗練されている。


私はなにも、仕事中は冗談も笑いも一切禁止だと言っているわけではない。同僚と仲良くするのはもちろんかまわない。しかし、同僚とあまりにも親しくなりすぎると、自分だけ昇進するのが難しくなる恐れがある。同僚の輪から離れれば、それだけ彼らの上に立つ地位に一歩近づくことになるのである。


近い将来に同僚たちの上司になるつもりなら、ある程度の距離を保っておくのが賢いやり方だ。そして、距離を保つにはクールでいるのが一番だ。


クールのイメージがよく分からないという人は、辞書で反対の意味の言葉を調べてみればよい。「暖かい」「興奮した」「ださい」などの言葉が出てくるはずだ。


「暖かい」という言葉は、手の平に汗をかいている状態を連想される――これはクールではない。「興奮した」という言葉のイメージは、クリスマスの日の小さな男の子だ――たしかにほほえましい光景だが、これもクールではない。「ださい」は分厚いカーディガン――たしかに寒さはしのげるが、クールではない。


あくまでもリラックスして自制心を失わない。非常時でも決してあわてず、落ち着いて適切な処置を下す。いつでも冷静沈着。何か困ったことが起こったときに人々が頼りにするのは、間違いなくこういったクールな人間だ。非常時に、ノリのいいお調子者は役に立たない。クールで冷静沈着な人が求められるのだ。