第2541冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • ルールは人それぞれだと考える


他の人たちはどんなルールに従って動いているのだろうか。彼らの基準は何だろう。


すべての人が、高い基準に従って生きているわけではない。誰もが正直に生きているわけではなし、正しい道徳規準を持っているわけでもない。


もちろん中には、思いやりがあり、立派な人格で、出世の階段を上っていく人もいるだろう。しかし、ほめられないルールに従って生きている人も、同じくらいたくさんいる。


たいていの場合は、決まったルールは特になく、その場で適当にルールを作りながら進んでいる。そのため、彼らの行動は予測できず、突拍子もないことをしたりする。


自分以外の人はみなそれぞれ違うルールで動いていることを考えておけば、まず間違いはない。それは、あなたよりもいいルールなのか、それとも悪いルールなのかといったことは考えなくてかまわない。ただ「違う」ということだけを認識しておけば十分だ。


もし仮に、あなたと同じか、もっといいルールで動いていると考えると、たいてい期待はずれに終わってしまうだろう。そして周りに幻滅し、悲しくなり、怒りを覚える。


逆に、自分よりも悪いルールだと考えると、あなたは周りを信用できなくなる。いつも心配が絶えず、被害妄想に取りつかれ、疑り深くなる。


他人のルールの中身は気にせず、ただ違うとだけ認識しておけば、周りの人を広い心で受け入れることができる。注意は怠らないが、他人に期待している。近づきやすい雰囲気を出しているが、他人を盲目的に信頼することはできない。他人に共感するが、簡単にはただされない。それがあなたの目指す境地だ。これはどこか武道の教えに似ている。

  • 常に警戒し、注意を怠らず、しかし力を入れすぎず、攻撃的にもならない。
  • 猫のような柔軟性と流動性を保つ。攻撃態勢は取らず、向かってくるものは受け流す。
  • 地にしっかりと足を着けている。何が起こってもどっしり構えている。