第2122冊目 誰からも「気がきく」と言われる45の習慣 能町光香 (著)
- 作者: 能町光香
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2010/11/15
- メディア: 単行本
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- 感情に寄り添う
「気がきく」、相手にそう思ってもらうのに必要なのは、相手が喜ぶポイントを理解することです。相手の事情を無視して自分自身の視点で気づかいをしてしまうと「余計なお世話」ということになってしまいます。
こう言うと、「じゃあ、どうしたら相手の喜ぶポイントを理解できるの?」と思われるでしょうか。
相手の欲していることは、性格、出身、年齢、価値観、趣味嗜好、育った文化、その他いろいろなバックグラウンドによって異なってきます。それだけでなく、その時々、その前の日、その日の朝、5分前に何があったかだけで気分は変わってきてしまうでしょう。人間の感情というのはそれほど非常にナイーブで複雑繊細なのです。
「ん? それじゃあ人の気持ちを理解するなんてできないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、いえいえい、そんなことはありません。
私は「感情に寄り添う」という表現をいつも使うのですが、相手の気持ちにぴったりとくっつくようなイメージをしてみてください。その人の周りに流れる空気、ピリピリしているとか、ボーっとしているとか、眠そうだとか、感じることがあると思います。
それは、相手の表情、眉毛の形、眉間のしわ、視線、目の力の強さや弱さ、口の形、声のトーン、言葉数、鼻、耳、手や足の仕草、物の置き方、ドアの閉め方……といった目に見えるものや、音として聞こえるヒントとなってあわれてくるからです。
人間というのは五感を使ってそれを「何となく」感じ取っています。その人の包む空気がなんだか重いなら「ああ、今日はこの人怒ってるなぁ」。いつもより口角が上がっていたりテンションが少し高かったりすれば、「今日はいいことあったんだなぁ」と思いますよね?
その気づきを気づかいにレベルアップさせるポイントは、相手のちょっとした変化に気づいてあげることです。
私は人が髪を切ったり、顔色の変化だったり、服装の変化だったり、微妙な差を見つけるのが得意なほうだと自負しています。
たとえば、上司がいつもより明るい色のネクタイをしている……表情も何となく明るい……。
そうすれば、「あれ、そのネクタイ。何かいいことでもあったんですか?」
そう聞くと、「そうなんだよ、実は今日結婚記念日でね!」
「ええっ! そうなんですか、何周年なんですか!?」という楽しい会話につながります。すると、まわりの社員の人たちも、「え、何々?」という感じで集まってくる。気づくと楽しいコミュニケーションができたりするのです。
こうして楽しい変化に気づくことができるかどうか。
それは、普段からその人のことを気にかけて見ているかどうかだと思います。その人の顔、姿勢、声、肌の色、紙の色、長さ……どんなことでもいいのです。きちんと見ていれば、ほんの少しの変化でも気がつきます。
それは、決して難しいことではありません。
職場の同僚、友達、恋人、奥さんのダンナさん、お父さんお母さん……接する回数の多い人ほど、その変化に気づきやすいはずです。
ちょっと服装や表情などの雰囲気が明るくなったときなど「服の雰囲気が変わったね」「何かいいことあった?」と聞いてみるだけでいいと思います。
「愛の反対は無関心」という言葉があるように、自分のことをきちんと見てもらいたいのなら、自分も相手のことをきちんと見てあげること。
相手の喜ぶポイントの理解は、そこからはじまるのだと思います。