第2103冊目 超訳・速習・図解 上司が「鬼」とならねば部下は動かず 上司の鬼31則ノート  染谷和巳 (監修), プレジデント書籍編集部 (編集)


超訳・速習・図解 上司が「鬼」とならねば部下は動かず 上司の鬼31則ノート

超訳・速習・図解 上司が「鬼」とならねば部下は動かず 上司の鬼31則ノート

  • 作者: 染谷和巳,プレジデント書籍編集部
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2013/03/29
  • メディア: 単行本
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  • 礼儀をわきまえない人は失格。社内の挨拶だって、お金として返ってくるのだ!


挨拶がないということは、あなたと関係を持ちたくないという意思表示である。朝、スーッと入ってきて席についた社員に、あなたは言うべきことがあっても、すぐに口をきく気になれない。それは、その社員が「会社もあなたも、私には関わりがありません」と拒絶しているように感じるからである。


営業やサービスという職種の人は、お客様を前にしたとき、両足をそろえてきちんと頭を下げる。そして「ありがとうございます」と言う。当たり前だ。それが仕事であり、お金となって返ってくるからである。


だからといって営業マンは、お客様ではない上司や店長にそうはしない。それどころか、挨拶などムダ、できるだけ省略して、しないからしないですませたいと思っている。


だが、挨拶を省略することは、やっぱり損なのではないか。なぜなら人の上に立つ人は、ろくに挨拶も返さない部下を使うことにかなりの精神的苦痛を感じているからだ。


「上下関係なんてナンセンス。バカな上司に挨拶なんてしたくない」などと思っているのだろうが、とんでもない話だ。きちんとした挨拶ができない人間は、必ず敵に囲まれる。相手を無視すれば、相手は敵意を抱く。あいとは口をきくまいと思う。何か言ってきたら冷たくしてやろう、何か失敗したら容赦なら糾弾してやろうと思う。待遇や処遇にも影響が出るだろう。社内の挨拶だって、給料やボーナスの増減となって返ってくるのである。


しかしそれより決定的にマイナスなことは、他人ではなく本人の心に対しての影響である。明朗な挨拶は心の中に爽やかな風を吹き入れ、心の活力を生む。反対に挨拶をしない人の心は、次第にくすみ、汚れ、ひねくれていく。


また、上司に対しての影響も莫大である。それは、個人的感情だけの話ではない。挨拶ができない部下は上下関係の大切さに重きを置かないケースが多く、命令を軽く受け流す傾向にある。つまり部下の礼儀違反は、命令不服従の発生源となってしまうのだ。だからこそ、上司は部下に徹底的に礼儀を守らせ、上下関係や組織のケジメを身に染み込ませる必要がある。


「型にはめる」という言葉に、民主主義教育で育った人たちは嫌悪感を持つが、組織の中では、これは間違った考え方である。きちんと型にはめた人間をつくって組織を円滑に動かすことが上司の仕事であり、義務なのだ。そしてその第一歩が礼儀であり、礼儀の第一歩が挨拶であることを、私は疑わない。