第2097冊目 仕事をためこまない人になる5つの習慣  佐々木 正悟 (著)


仕事をためこまない人になる5つの習慣

仕事をためこまない人になる5つの習慣

  • 1つのノートにまとめることの利点


多くの人が、メモをあちこちに書き散らかしています。毎晩メモを整理して保存しようとすると、メモがあちこちにあるのがわかるでしょう。


仕事術、メモ術の本でも「一元化せよ」としつこく言われていますね。メモを頻繁にとるのが自然になるには、そういうメンタルモデルをもつことが必要です。


特定のノートにメモをとっている人は、可能な限り一元化しようとしているから、傍から見て、ものすごく頻繁にノートを取り出しているように見えるわけです。


拡散したメモを毎晩集めて整理するなんて、時間の無駄だと言う人がいます。しかしそうした人でも、あちこちににメモを書いているということは、「いつかそれを必要なときに集めて利用しよう」としているはずなのです。ところが、毎晩やっても大変なことが、「1ヵ月後」などにできるわけがありません。

  • メモすることで記憶力はケタ違いにアップする


毎晩メモを集めて整理することには、派生的メリットもあります。メモを集め、整理するという過程の中で、必ずメモを見返すタイミングが得られるのです。


転記するという過程の中で、必ずメモを見返すタイミングが得られるのです。


転記する作業が無駄に思えるかもしれませんが、実は無駄ではないのです。


夜、大事に思えたメモを転記すると、大事なことがラクに記憶に定着するのです。


マリーゴールド・リントンという心理学者が行った実験によると、経験をイメージしながら短いメモにまとめた場合、1年たっても、すべての体験のわずか5%前後しか忘れなかったといいます。メモすれば、95%は覚えておけるのです。


もちろん個人差はあるでしょうが、メモすることで、記憶定着度はずっと高くなのには間違いありません。


あとから思い出すために、メモをするのが本来の目的だったわけですが、実はメモすることによって、思い出せることの数が倍増するのです。


毎晩、メモを集めて整理することによって、記憶が整理され定着すると、メモをとることの意義を実感することができます。


人は、意義を実感した行動を繰り返したいと思いますから、毎晩メモを整理すれば、より意欲的にメモをとりたいと思うようになるでしょう。


このように、「毎晩メモを集めて整理して保存する」ということを習慣化すれば、先にもあげた5項目についてラクにできるようになります。

  • 頻繁にとる
  • メモをとる体勢を整える
  • 見返す
  • メモをとった意義を感じる
  • 整理して保存する


メモをとる習慣を身につけたければ、まずは、メモを整理する習慣をつけるようにしてください。

  • メモをとらなければ、頭はどんどんつかれていく


人がメモをとらない原因のほとんどは、メモをとることのメンタルモデルが理解できないからであって、記憶力が抜群にいいとか、メモをとる必要がないなどということはまずありません。


メモをとらなければ、当然、メモをとることによるメリットが得られません。先にあげた3項目を反対にしてみましょう。

  1. 頭を必要以上に酷使する
  2. 経験をなぞることができない
  3. 物忘れをする


仕事中、ずっとこうだとしたら、考えただけでもゾッとしませんか? たとえば私が会社の経営者だったら、こうした人を雇いたいとは思いません。