第2072冊目 仕事で差がつく 根回し力 (青春新書インテリジェンス) 菊原 智明 (著)
- 作者: 菊原智明
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2014/01/08
- メディア: 新書
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- カチンとくる相手が発しているサインを逃すな
人からキツイ指摘をされて、
「なにも、そんな言い方をしなくてもいいのに!」
と頭にきた経験、誰でもあるでしょう。
時には〈あの野郎、ホントにイヤなことを言いやがって……〉と悔しさが頭を離れなくて、夜、寝つきが悪くなったかもしれません。
そんな時、ただ単に頭にきて終わり、ではなく、修正すべき点を見つけるチャンスだと考えたほうが、自分にとってメリットがあります。
カチンとくることを言われて、その場ではなかなか冷静になれるものではないでしょうが、そこはグッとこらえて、あとからでも少し自分を振り返ってみることをオススメします。
自宅営業マン時代、私は後輩のひと言にカチンときたことがありました。
展示場で接客をしていたのですが、そのお客様とは話がうまくかみ合わず、来場してくれたお客様にお願いするアンケートも取れずに帰られてしまいまいした。
その様子を見ていた後輩が、「菊原さんって、お客様の前だとオドオドしているんですね」と言ってきたのです。
私が「そんなことないよ」とムキになって否定すると、「あんな弱腰じゃ、お客様は話を聞いてくれないんじゃないですか」とさらに突っかかってきます。この後輩の指摘には本当に腹が立ちました。
後輩からのデリカシーのない言葉は、いつまでも心に残ります。それからしばらくそのことが頭から離れず、気になって仕方ありませんでした。
でも、少し冷静になって振り返った時、確かにカチンとくる言葉でしたが、よくよく考えてみれば後輩の指摘はもっともなことだと気づきました。
私は確かに、接客の自信のなさから、お客様とうまく話ができていなかったのです。
その後は、意識的にお客様の前で堂々と話をするように心がけました。
できる営業マンであるかのように振る舞ったのです。
すると不思議なもので、いつの間にか接客時間が長くなり、話もうまく進むことが多くなったのです。
そんなことがあって以降、その後輩の存在がありがたく思えるようになりました。
こちらが好意的に接すると、後輩もこちらに好意的になります。
それからというもの、彼は私に対して、あの日のようなデリカシーのないことを言わなくなりました。
思い返してみると、私は彼に対して気づかいが足りていなかったことに気づきました。後輩だからと傷つくようないじり方をしたり、雑に扱っていたことも否めません。
ビジネスにも人間関係にも「返報性のルール」が働きます。
人は他人からなんらかの施しを受けると、お返しをしなければ、という感情を抱くものですが、逆に、日ごろから冷たく扱われていると、こちらも冷たく返したくなるものです。
あたなも人からカチンとくることを言われることがあるでしょう。
それは、その人への気づかいが足りていない、というサインかもしれません。