第2052冊目 「しきる」技術 誰にでもできる超実践リーダーシップ 克元 亮 (著)
- 作者: 克元亮
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- まずはまねから始めよう
うまくしきれている人を観察する
あなたが、しきり役を命じられたとしましょう。いまどんな気持ちですか?
誰でもはじめてしきるときは「自分には無理」と感じるものです。つまり、しきるためのマインドが十分に備わっていないのです。
私もそうでした。失敗したらどうなるだろう、評価が下がるのではないか、メンバーに嫌われてしまうのではないかなどと、いろいろ考えていました。成果を上げられなかったらどうしようかとプレッシャーに感じることもありました。
どうしたら「しきるマインド」を身につけることができるのか。まずは、うまくしきっている人をよく見ることからスタートします。
高所恐怖症の人は、自力で症状を克服することはできないそうです。
たとえばバンジージャンプをやるとします。高所恐怖症の人は、どんなに勇気を出して飛び込み台の上に立ったとしても、足が動かなくなって踏み切ることはできません。ですが、たくさんの人がバンジージャンプをやるのを見て「何も起きない」「安全だ」とわかると、自分のバンジージャンプができるようになります。人がジャンプするのを見るうちに、間接的に経験して、安全を確認すると同時に、どうすればうまくいくかを学んでいるからです。
しきりも同じです。まずはうまくしきっている人の様子をじっくり見て、間接的にしきる経験をします。すきりが上手な人を見つけて行動をともにしながら、しきり方を見る、というところが「しきるマインド」を身につけるスタートとなります。
十分に観察したら、よいと思ったところをまねみます。さらに実際にやったことだけでなく、多分、その人ならこうするだろうと思われることを想像してやってみるとよいでしょう。
「見る」→「まねる」→「やる」を繰り返す
まねをしながら実践すると、いろいろな改善点が見つかります。そうしたら少しずつ修正していきます。
私は、このように、「見る」→「まねる」→「やる」という3段階のステップを踏みながら、しきる技術を身につけました。
社会人になったばかりのころ、リーダーにしきり上手な人がいました。その人の職制はリーダーではありませんでしたが、メンバーの意見を聞きながら、リーダーの下でうまくチームをしきっていました。まわりからは尊敬され、いつも意見を求められるなど、非公式なリーダーといえる人でした。私はこの人をお手本にしながら「見る」→「まねる」→「やる」を実行してきました。
直接のリーダーでなくても、周囲には必ずしきり上手な人がいるでしょう。その人にできるだけ近づき、「見る」→「まねる」→「やる」を実行しましょう。そうすることによってしきるマインドが育っていきます。