第2053冊目 その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』 矢野香 (著)


その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

  • 緊張すると出てしまう見苦しい「動作」とは?


全ての動作には、相手に与える印象があり、意味が生まれます。人前に立つときは与えたい印象と連動する動作を取り入れることをお勧めしてきました。


一方で注意しなければならないのは、腕を組む、貧乏ゆすりをする、髪を触るといった無意識の動作です。当然、こうした動作にも意味が生まれますから、無意識で行っている場合、意図していないメッセージを伝えてしまうことになるのです。


つい無意識の動作をしてしまうのは、どんなときなのか。それは、緊張しているときです。


人前に立ち緊張しているとき、居心地の悪さから逃れるために、無意識で何か他の動作をしようとします。心理学では「転移活動」と呼んでいます。緊張したときに出てしまう無意識の動作は人それぞれで、いろいろな種類があります。


先日、テレビ番組で目撃したのは、多数の著書があり、テレビや新聞などのメディアでもよく拝見する、ある著名人の動作でした。発言している最中に、手遊びをしている姿が画面に映し出されたのです。


顔は司会者の方を向いていましたが、両手をごそごそと動かし続けているのです。指のさかむけを取ろうとしているようにも見えました。


どんなに素晴らしい意見を述べたとしても、これでは説得力はありません。


この方は、別の番組でも同じ動作をされているのを見かけたことがあります。無意識のクセなのだと思いますが、あまりにももったいない軽すぎる動作です。


このように、自分ではわからない無意識の動作として、


貧乏ゆするをする
手を組んだり、ほどいたりを繰り返す
腕組み・足組みをする
頭をかく
自分の髪、顎など体の一部を触る
舌なめずりをする
瞬きが多くなる
自分で自分の話に「うん、うん」と頷きながら話す


など、いろんなクセがあります。これらのクセは全て、そろそわした感じを与えるか、横柄、または頼りない印象を与えるかで、良いメッセージになる動作は1つもありません。