第2051冊目 飲みの席には這ってでも行け! 人づき合いが苦手な人のための「コミュ力」の身につけ方 堀田 秀吾 (著)
飲みの席には這ってでも行け! 人づき合いが苦手な人のための「コミュ力」の身につけ方
- 作者: 堀田秀吾
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2013/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「姿勢」を変えれば世界が変わる
- 力強い姿勢にすると大胆になれる
「姿勢」が大事だということは、誰もがわかっていることですが、それだどのくらい大事か、そして、姿勢を変えることで何がどのくらい変わるかというのはあまりわかっていないのではないでしょうか。
姿勢とその効果に関して、社会心理学者のカディという人の研究チームが、とても面白い実験をしています。
背中を伸ばしたり、のけぞったりするような力強い姿勢で2分間座ってもらった被験者と、背中を丸めたり、肩をすぼめたりするような弱々しい姿勢で2分間座ってもらった被験者に、その後ギャンブルをやらせたところ、力強い姿勢をとっていた被験者は86%がリスクを伴う賭けに出たそうです。
一方、弱々しい姿勢で座っていた被験者は60%のみが賭けに出たそうです。つまり、姿勢を2分間変えただけで、より大胆に、勇気を持ってものごとに臨めるようになるということです。
さらに、そういった姿勢を2分間キープしたあとに圧迫面接を受けさせ、その面接の様子だけをほかの人たちに見せ、どの人を採用したいか尋ねるという実験をしました。
すると、面接を受けている人たちが面接前にどのような姿勢をしていたか知らなかったのにもかかわらず、彼らが採用したいと思った人たちは、みな、面接前に力強い姿勢をしていた人たちで、採用したくない人dさと思った人たちは面接前に弱々しい座り方をしていた人たちでした。
こういう効果は面接だけでなく、プレゼンや交渉など人から評価されるいろいろな場面で現れてきます。
- 姿勢はホルモンの分泌にも影響を与える
姿勢はホルモンの分泌にも影響を与えるそうです。
テストステロンという、決断力、積極性、攻撃性、負けず嫌いなどと関わっているホルモンがあります。
もうひとつ、コルチゾールという、ストレスに敏感に反応して分泌が増加するホルモンがあります。
霊長類の群れで、力のあるボス、有能なリーダーにはテストステロンが多く、コルチゾールが少ない傾向があります。
強いボスですからテストステロンが高まるのは自然ですが、そういうボスがストレスに敏感であってはボスは務まりません。ストレスに動じない、どっしりとした態度が求められるはずです。だから、コルチゾールが少なくなるわけです。
しかし、ボスの座から下りたら、テストステロンが下がり、コルチゾールが上がります。つまり、役割の違いが心を変え、ホルモンに違いを与えるわけです。ホルモンは脳の作用によって分泌されるからそうなるわけです。
姿勢の話に戻りますと、力強い姿勢の人はテストステロンが20%増加して、弱々しい姿勢の人は10%下がったそうです。
ストレスホルモンのコルチゾールは、力強い姿勢の人で25%減り、弱々しい姿勢の人で15%上がったそうです。
つまり、ストレスがたまりそうな状況では、背筋をピンと張って、力強い姿勢で心の準備をしてから望むのがいいということです。
- 力強い姿勢にしただけで野犬の群れからの襲来を免れた
これに関連するかどうかわかりませんが、もう1つだけお話したいことがあります。
とある有名企業の元会長さんとお話したときのことです。その会長さんは、若いときにバックアップ1つで世界旅行をしたそうなのですが、とある中東の国の国境近くの砂漠で、野犬の群れに出くわしてしまったそうです。
野犬というものは、人間に害があるかどうかということで言ったら、ライオンやトラなどよりよっぽど恐ろしいそうです。
ですから、そのときの恐怖と言ったらなく、髪の毛を含め、全身の毛がすべて逆立つのを感じたそうです。
その野犬の群れが会長のほうを睨みつけ、大ピンチに陥った会長さんにどんな行動をとったかというと、なんと、とっさに背筋を伸ばして胸を張って、まっすぐと進行方向を見つめ、大胆で堂々と、のっしのっしと歩いたのです。そうしたら、野犬は、結局、襲ってこなかったのです
そのあとしばらく歩いて振り返ったところ、会長がさきほど立っていたあたりに、野犬たちに襲われた羊が横たわっていたそうです。
下手したら、会長さんがその羊のようになっていたかもしれなかったわけです。
この話は、科学的に証明できるわけではないのですが、私は姿勢とテストステロンやコルチゾールの話と無関係ではないと思っています。
テストステロンは、ボスザルなど動物にも見られるわけですし、いわゆるフェロモンという他者がにおいを嗅げるものですから、動物でも感じとりはずです。
会長が堂々とし態度をとった瞬間に、攻撃性や支配といった強さを象徴するテストステロンが増えて、ストレスホルモンが減り、勇敢なオーラを放ったのでしょう。
科学的根拠は乏しいのですが、野犬も同じ動物としてそういうオーラのようなものを感じとったのではないかと思っています。
- 「姿勢がいいとモテる」科学的な理由
いずれにしても、堂々とした、力強い姿勢をしていることで、非常に危険な野犬さえも遠ざけたというのはすごいことではないでしょうか。
非常によくて損することはほとんどありません。
むしろ、他者からの評価も高まり、自信も出る、しかも、テストステロンはじつはモテるフェロモンとしても知られるフェロモンなので、そういう意味でも効果があるかもしれません。また、健康にもよく、ダイエットに効くとも言われています。
もうやらない手はありませんね!
背筋をピンと張って、姿勢をよくしてみましょう!
何かが変わっていくのが感じられるかもしれませんよ。