第2039冊目 なぜ、あの人の頼みは聞いてしまうのか?: 仕事に使える言語学 堀田 秀吾 (著)
なぜ、あの人の頼みは聞いてしまうのか?: 仕事に使える言語学 (ちくま新書 1056)
- 作者: 堀田秀吾
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/02/05
- メディア: 単行本
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- 自分を変えたければ「なりきる」ことが大事
前項では、役割性格とのつながりから、役割後に代表される話し方で自分を変える方法について説明したました。しかし、実は、役割を与えたり、与えられたりするだけでは不十分です。より意識的に自分に理想的な人物像を与えて演じることによって、「理想の自分になる」ことができるのです。つまり、そういう自分に「なりきる」ことで、自分がなりたい人物に実際になれる可能性が高まっていくのです。
こういう「なりきり」は、私たちが普段から何気なくやっていることです。たとえば、「今日は気合いを入れていくぞ!」なんて言うときは、いつもより気合いを入れた自分をイメージして、実際にそういう自分を演じていませんか? 逆に、先日のお酒の席ではハメを外してはしゃぎすぎてしまったというときは、「今日はおとなしくしよう」とイメージを持って、おとなしい自分を演じていたりもしますよね? このように、なりきりというのは、ごく普通に普段からやっていることで、そんなに難しいことではないのです。
また、脳にある「やる気スイッチ」である淡蒼球という部位には、何かになりきることによってオンになります。たとえば、仕事をバリバリやって、どんどん片付けていく「デキるビジネスマン」を演じようと決めて、なりきって仕事をしてみる。あるいは、慌てん坊の人だったら、落ち着いて仕事をこなす人間を演じてみます。自分は人に優しくないと思ったら、優しい人になりきってみます。
最初は面倒くさいと思ったり、違和感が伴ったりするかもしれません。でも、そうやって演じて始めて、やる気スイッチが入ればこっちのもの。どんどんやっていけるようになりますし、それを演じていくうちにそれが本物になっていきます。
また、やる気スイッチである淡蒼球をオンにする方法には、「褒美を与える」というものや他人に認めてもらいたいをいう基本的な欲求(承認欲求)を満たすというものもあります。
第1章でも述べましたが、人間は変化や異質感に敏感な生き物です。生物学的に普段と違うものに気づかないと危険を察知して生きていくことができないからです。ですから、あなたが「なりきり作戦」で変われば、必ずいつかそれに気づいて、それを認めてほめてくれる人が出てきます。
そうやって誰かにほめられることで、承認欲求を満たしてもらう。そうすると、また脳のやる気スイッチが入るのです。しうい良いスパイラルに入ればもうこっちのもの。あとでやろうはバカヤロウです。今から変えていきましょう!