第2037冊目 ドラッカー流 最強の勉強法 中野 明 (著)


ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)

ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)

  • 他人に教えることで多くを学べる


他人に教えるということも立派なアウトプットの形態だ。また、教えるというアウトプットがインプットにもなる点が、教えるということの大きな特徴である。


知識労働者やサービス労働者は、自らが教えるときに、最もよく学ぶ。長い間教壇に立ってきたのは、教えることで自ら多くのことを学べたからだ。学ぶためには教えなければならない。教える側が教えられる側以上に多く学べるのだから。(『ドラッカー20世紀を生きて』


いずれもドラッカーが、教えるということについて述べた言葉である。ドラッカーアメリカ移住後、生涯大学の教壇に立ってきた。ドラッカーにとって、教壇に立つこと自体が勉強であったのだろう。


そもそも、人に何かを教えようと思うと、それについて深く理解していなければならない。また、本格的に教えようと思うと資料が必要になる。


実際に資料を作ってみると、頭ではわかっていたつもりの個所が、実は理解不充分だったことが次々と判明する。あるいは、完璧だったお思っていた論理展開が、節穴だらけという事実にも直面するはずだ。これは実際にやってみればよくわかる。だから繰り返し述べるように、文字によるアウトプットは、それ自体が勉強なのである。