第1973冊目 読顔力 コミュニケーション・プロファイルの作り方 (小学館101新書) [新書] 簑下 成子 (著), 佐藤 親次 (著)
読顔力 コミュニケーション・プロファイルの作り方 (小学館101新書)
- 作者: 簑下成子,佐藤親次
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 新書
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- 表情をまねてみる
人は自分が作れる表情しか読み取ることができません。
自分が今、つらい思いをしているときは、相手の「幸せ」や「驚き」など、ポジティブな表情を読み取れず、ネガティブな表情、「悲しみ」「怒り」は微妙なものまで読み取れる状態になります。
逆に少し浮かれているくらい、とってもハッピーな状態だと「悲しみ」の表情は読み取りにくくなり、理解しにくくなってしまうのです。
そうしった人間の習性を利用して、対人関係で困ったことがあった場合には、その相手を観察して、その「表情をまねてみる」と相手の心情を理解できます。また、理解してほしい表情を再現することで、相手に自分の気持ちを伝えることができるようになります。
- 表情をまねる意義
「なぜ、あの人はそういうことをするんだおる」というような困った人がいます。そういう人がいたら、よく観察してみてください。
なんとなく、表情がずれているような気がするかもしれません。楽しい内容の会話をしているはずなのに、相手は困っているのかもしれないとあなたが感じる。大事な話をしているのに、相手が人をばかにしたような表情をしているように見える。こういった言語的には説明できない「違和感」。それを覚えるポイントは、どこからきているのでしょうか。
そういう場合は、たいてい相手の表情に偏りが見られます。緊急事態ではないのに、切迫した表情だったり、目だけが顔全体の表情と合わなかったりしているはずです。
相手の表情の状態を分析して、その表情をまねてみます。表情を作ることで、自分の中に相手の感情を再現してみるのです。この方法で、なぜ相手がそう思うのかを確認できます。この働きはミラーニューロンによるものですが、これは人間など一部の哺乳類だけがもっている機能です。
困った表情をしている相手だったら、同じように眉間にしわを寄せて、会話を続けてみます。そうすると話の内容は別に困るような内容ではなかったはずなのに、なんとなく「どうしたらいいんだろう」という感覚が出てきます。
目を鋭くランランと光らせている人がいたら、同じように目をランランとさせてみます。そうするとだんだん自分の中に疑心暗鬼な気持ちがわきてきます。ニヤニヤしている人のまねをすると自分の中に人をだまそうとする、嘘をつきたくなるような気分が出てきます。
なんとなく違和感を覚えた相手の表情をまねたら、自分の感情と共通点を確認することができる場合もあります。