第1972冊目 最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術 [単行本(ソフトカバー)] 島田 久仁彦 (著)
- 作者: 島田久仁彦
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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プレゼンテーションの場で原稿を読み上げるのは厳禁――プレゼンは顔を上げて行うのが鉄則
プレゼンテーションや交渉におけるオープニングスピーチ(挨拶・自己紹介・今回の交渉で目指すべきもの)を行う際に、あらかじめ用意してきたメモやスピーチ原稿を読み上げる人がいます。残念ながら、この時点でプレゼンテーションはその価値を失ってしまうといっても過言ではありません。
プレゼンテーションは、これまで積み上げてきた努力の発表の場ですから、エンターテイメント性が必要です。
原稿を読み上げてしまうと、プレゼンテーション中、聴衆を見ることができません。また、声の抑揚もなくなり、文章の切れ目、声のトーンが通常の話し言葉に比べて単調になって不自然に聞こえます。そうなると、聞き手は退屈するか眠たくなってしまうのです。
発表の際は、最小限のメモを持参するにとどめ、参加者の目を見ながら、退屈していないか、理解できているかを確認しながら自分の言葉で語るようにしてください。
- 勝てるプレゼンのポイントは
①パワーポイントを使わない
②原稿は一字一句書かない
私が考える「勝てるプレゼンの鉄則」は、「パワーポイントは使わない」(使うなら参考資料としてあとで配布する)、「スピーチの原稿は一言一句書かない」という2点です。
おおまかなストーリーの流れ、スピーチのもくじ、間違ってはいけない数字や年代などの事実関係、どうしても入れたい名言などはメモとして持ちますが、あとは前を向いて自分の言葉で話しかけることです。
「スピーチを暗記しない」ということも大切です。暗記された言葉は、記憶した内容を間違えずに伝えることに一生懸命になってしまって、観客に対して意識が集中できません。
「おおまかな話の流れ」をつくったら、あとはその場の雰囲気も踏まえつつ、自分の言葉で語りかける努力をしてください。
そうすることであなたの目標は、上を向いているかまっすぐ観客を見ているでしょう。背筋もピンと伸びているか、心地良くわずかに聴衆の側に前のめりの姿勢になっているでしょう。そしてメモや原稿を持っていないことで、両手を使って感情豊かに話しているのではないでしょうか。
顔の表情も、話す内容によってほほえんだり、眉間にしわを寄せたりと、バラエティーに富み、その表情そのものが、ストーリーを語り、かつ聴衆にメッセージを伝えることになります。
また、「聞いてほしい内容」を話す際には、無意識に聴衆を見渡し、かつ目を合わせて、少し前のめりになってメッセージを訴えかけていることと思います。
何よりも、話している内容に対して、あなたはownershipを感じ、楽しめるようになるでしょう。
こうすることで、同じ内容の話をしても、はるかに説得力のあるプレゼンテーションやスピーチとなります。ちなみに私は、このような方法で、これまで国際的な場で何度もBest speaker賞をいただいています。
聞き手の側はどうでしょうか。アイコンタクトをされて、豊かな感情表現を交えて話している姿を見ると、まるで自分にだけ話しかけているようにする錯覚するのです。