第1387冊目 プレゼン以前の発表の技術 [単行本] 尾方 僚 (著)
- 作者: 尾方 僚
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 単行本
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- 人のダメな部分を知り、自分に生かす
自分の話し方を客観的に見る方法については183ページでも述べましたが、人の発表を見て、自分の発表に生かすことも発表を上達させる方法の一つです。
私が行っている授業では、1人の学生が発表している間、ほかの学生にはその発表を評価させることにしています。
学生たちは「下を向いてしゃべってばかりいる」「話がつまらない」などと、人のダメな部分についてはいろいろと書いてきます。
しかし、それを書いた本院が実際にできているのかというと、なかなかできません。
このように、人のダメなとことはわかっても、自分ができるようになるまでは遠いのです。
でも、まず人のダメなところがわかるようになることが大切です。ダメなところがわかると、あの人は下を向いて話しているから声が聞き取りにくいんだ、だったら自分が話すときは、これは直したほうがいいんだなとか、そういう部分を見て学んでいくことができるからです。
- プロだって練習する
私の古くからの友人に、フリーアナウンサーをしている女性がいます。
アナウンサーといえば話のプロですが、彼女はナレーションの仕事が入ると、本番までに何度も練習を繰り返す、と言います。
彼女はナレーション原稿をもらうと、原稿を声に出して読み、それを何度も録音するのだそうです。
1回目の録音を聞いてみると、自分がおかなしところで文章を切っているのに気付く、と言います。原稿の文章には句読点がついていますが、そのとおりに区切って読むと案外聞きにくい場合が多い。なので自分なりのリズムをつける。
しかし、区切り方におかしなクセが出てきてしまうときがある。それを録音して客観的に聞くとそのクセがよくわかる。
だから何度も録音し、聞き手の耳にすんなり入るような区切り方を研究して、自分なりに原稿の句読点を打ち直すのだそうです。
話のプロでさえ、本番までにこれだけの練習をするわけですから、人前で話す慣れていない人は、それ以上に練習しなければならないということですね。