第1366冊目 総理への宿命 小泉進次郎 (一般書) [単行本] 大下英治 (著)



今では、日本の政治家の中で、一番の成長株が小泉進次郎と言われている。


自民党政務調査役の田村重信の見るところ、進次郎は、小泉純一郎のDNA、そして、小泉家のDNAを受け継いでいる。政治家としての血統はサラブレッドだ。そうでありながらも自制し、驕り高ぶったりもしない。天狗になることもなく、まだまだ学ばなければならない身という謙虚さを持ち得ている。


他の政治家は、少しでも注目されたとたん、一流の政治家になった気分になってしまう。目に見えない根っこを生やしていないため、逆風が吹けば簡単に倒れてしまう。いっぽう、進次郎は見えない落とし穴の存在を知っているため、いまは、どんな風水害が起きようとも、どっしりと立ち続けることができる根っこを張っている最中だ。


有名人なればプライバシーもなければ、恋愛もできない。ここまで成長し、注目されるよになった進次郎は、多くの妬みを買うことになるだろう。だが、その妬みが、逆に進次郎をさらに大きく成長される原動力になるはずだろう。


田村は、自身が後援会をした際、聴衆から質問を受けることがある。


「日本の総理大臣には、だれがいいと思いますか」


そう訊かれれば、だれか一人ぐらいは名前をあげなければならない。


田村は、迷わず答える。


「それは、小泉進次郎だよ」