第1314冊目 モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


初めてキスを奪う秘訣


初めてのキスを奪う秘訣といっても、それはとても簡単なことだ。いったんわかってしまえば、それから先は、キスを奪うことは大事件などではなく、ちょっとした冒険に過ぎないと思えるようになるだろう。この秘訣とは、事前の準備をすることである。キスを迫る前に、あなたは彼女をその気にさせ、心の準備を整えさせ、キスを心待ちにさせる必要がある。つまり、受け入れ態勢を十二分に整えさせておかなくてはならないのだ。ましてもこれは、キャンプ用のコンロに点火するときのコツと似ている。火のついたマッチをコンロにつけても、もちろん火はつかない。コンロが点火しないのは、問題はマッチにあるのでもなく、あなたのマッチの持ち方にあるのもでない。もちろん、マッチのすり方が悪いわけでもない。コンロが不良品なのでもなく、コンロにあなたへの恨みがあるわけでもない。ただ、適切な下準備を怠っていただけなのだ。実は、正しい準備をしていなかったことが問題なのに、あなたは、点火の際の何かがいけなかったのだと思い込んでいるとしたら、何をしてもうまくいくはずがない。


初めてのキスも、――そして初めてのセックスも――これと同じだ。あなたが、女性に適切な心の準備をさせていれば、キスは、ごく自然で、簡単なことのように見てくる。しかし男性たちは、最初のキスを奪うのは難しいと思い込み、あるいは自分たちの知らない、難しい動きや台詞が必要なのだろうと信じている。彼らは、実際の問題点とは別のところに目を向けているのだ。ここで、あなたにぜひ知っておいてほしいことがある。それは、デートが終わろうとする頃に、彼女にキスの心構えをさせようとしても遅すぎるということだ。キスの瞬間のことばかり考えるのではなく、彼女をキスへと誘導するための適切な段階を踏むことの方に、あなたは注意を向けた方がいい。


ボブがシェリルに初めてのキスを迫ったとき、彼は必要な下準備を何一つしていなかった。まず第一に、シェリルはボブを友だちだと思っており、ボブも、友だちだと見なされたくないことをいちいち理由を挙げて説明したことはなかった。キスしようとする瞬間まで、ボブはシェリルに気がある素ぶりを見せたことがなかったのだ。もし見せていれば、彼女にその気がないこともわかっただろう。先にわかっていれば、勝算なし、とシェリルのことをあきらめることができ、わざわざデートして時間をムダにすることもなかったのだ。ボブはまたムードを高める恋に関する質問をしろ、という著者の助言にも従わなかった。そして、ロマンチックな前置きなど一切なしに、いきなりポルノ映画に連れて行かれたシェリルは、怖じ気づいてしまったのだ。それなのにボブは、初めてのキスを奪うのはどうしてこうも難しいのだろう、などと図々しくも不思議がっているのだ。


ポールも、似たような愚かな失敗をしている。アニーのことを、手間をかけるほどの女性ではないと判断したときから、ポールはロマンチックな働きかけを一切しなくなった。まるで、目の前から消え失せてほしいと願っているかのような扱いをしておきながら、彼女に自分とキスする気がないと知ると驚いてしまうのだ! ボブもポールも、キスの迫り方のどこがまずかったのだろうと不思議がっている。おそらく彼らは、自分にとって都合の悪いことには目を向けられないたちなのだ。


ボブもポールもブルースを見習うべきだろう。ブルースは、デートの初期の段階から、そのときどきにふさわしいロマンチックな行動を取っていれば、その当然の結果としてキスに到達できることを知っている。ブルースがウェンディと初めてのキスを交わしたとき、ウェンディには心の準備ができていた。ブルースは、ウェンディが自分に興味を持っていることを即座に見抜き、そのあとずっと、自分もウェンディに気があることを素ぶりで示してきたのだ。ブルースはウェンディに恋に関する質問をし、恋愛の話に引き込んだ。本章で著者が述べたことを、一つ残らず実行したのだ。そしていよいよブルースがキスを迫ったときには、ウェンディもそれを待ち望むようになっており、情熱的に反応した。ブルースは、初めてのキスを奪うのは難しいことではないことを知っている。むしろ大切にすべきことは、キスへと導くための事前の準備だ、とブルースにはわかっているのだ。


彼女の心の準備が整っていることを確かめる方法


初めてキスをするときには、必ずいくつかの条件が揃っていなくてはならない。さもなければ、キスしようとするあなたの試みは失敗に終わるだろう。条件がすべて揃うまでは、キスは我慢した方がいい。「ノー」と言われるのがオチだからだ。逆に、もしも条件がすべて満たされていると感じたなら、どんどんキスを迫っていい。彼女の受け入れ態勢は万全だ。ところで、一つ知っておいてもらいたいことがある。それは、本書でこれから示す例よりも早く、これらの条件が満たされる場合もあるということだ。互いに何かしら惹かれるものがあり、「イケる」と感じたなら、いつでもキスを迫っていいのだ。そうなるのは、もしかしたら、プレ・デートさえしていないのに、彼女のコンロには燃料がいっぱいで、火をつけてと言わんばかりの状態になっていることもある。さらには、会ったばかりの女性でも、彼女があなたに夢中になり、すっかりその気になっていれば、そのままキスということも可能だ。


初めてのキスを迫る前に、満たすべき条件は次の通りだ。

  • 彼女がキスの驚かないこと
  • 彼女があなたとのキスやそれ以上のことを思え描いていること
  • あなたにその気があることを彼女が知っており、それを好ましく感じていること


けれども、いったいどうしたら、これらの条件を満たされていることがわかるのだろう? ここに、著者が我がセミナーの受講生たちのために考案したテストがある。初めてのキスを迫る前にこのテストをすることによって、彼女に心の準備ができているかどうか確かめることができ、同時に、心の準備を整える手助けをすることもできるのだ。ぜひこのテストを試して、彼女の反応を見てほしい。それからキスを実行に移せばいいのだ。


タッチテスト


彼女にさりげなく触れたり、ロマンチックな触れ方をして反応を見ることによって、心の準備ができているかどうかを確かめることができる。さりげなく触れるとは、短く、あっさりと触れることだ。たとえば、コーヒーカップを手渡すときに指と指が触れ合ったり、選んだテーブルに案内するために彼女の腕を取ったり、背中に手を回したりするのがそれにあたる。さりげない触れ方は、いろいろな意味を持ち得る。親愛の情の表れという場合もあるし、将来恋人にしたいという思いが秘められていることもある。一方、ロマンチックな触れ方には、もう少し強引さが感じられる。彼女の手に触れたり握ったりすること、彼女の腕をなでること、あるいは彼女の身体のどこかに手を載せたままにすることを、数秒以上続ければ、それはロマンチックな触れ方だと言える。