第1306冊目 モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


勝負デートはふだん行かない場所で


勝負デートには、その女性がふだん行かない場所を選ばなくてはいけない。忘れてはいけない。あなたの目的は、二人で思い出に残る体験をすることなのだ。そしてそうした思い出作りのためには、お決まりのパターンから抜け出して、行ったところのない場所へ(見たことのない景色、匂い、光景、雰囲気、そして何もかもが見覚えのないものばかりの場所へ)出かけてみるのも一つの方法なのである。そうすることによって、その経験は大胆かつ刺激的で、冒険に満ちたものに感じられる。


デートの場所は、美術館でも街はずれの店でもスポーツ・イベント(彼女からスポーツ好きだと聞いたときのみ)でも、コンサートでも、どこかの特別なレストランでも構わない。彼女が喜びそうなところならどこでもいいのだ。ただ一つの条件は、彼女の行きつけの場所は選ばないということだ。だから、たとえば彼女が、毎週のように美術館にエジプトの文明品を見に行っているのだとしたら、そこへは行かないようにする。ただし、近くで気球ショーが開催さていいたり、彼女が見たがっている美術展が行われている場合には、そこの申し分のないデートの場所となる。気球ショーや美術展は彼女にとって新しい経験であり、一つの「イベント」と呼べるものだからだ。


勝負デートには驚きの要素が必要


これまで一番ロマンチックだったデートの場所は? という質問を女性たちにしたところ、場所はさして重要な問題ではなく、むしろ大切なのは、デートの中身だという応えが多く返ってきた。デートをロマンチックなものにするのは、男性が細かい部分に至るまですべての計画を立てたという事実と、そのデートで女性がまるで別世界にいるように感じることなのだ。ある女性は、最高に素晴らしかったデートを、まるで「ロマンチックな世界に転送された」ようだったと形容した。そしてそのような感覚を生じさせるのに素晴らしく効果的なのが、デートに驚きを盛り込むことなのである。


たいていの人は、子供の頃からの驚きを好むものだ。人は、驚きを喜んで受け入れるようにできている。たとえば、どうして子供は怖い映画を好むのだろう? ジェットコースターやかくれんぼを好むのはなぜだろう? 驚きの要素は、ありふれた行動を特別な出来事に変えてしまう。ありきたりのものを、並はずれたものにしてしまう。驚きの要素が、加速度的に二人の心の絆を深め、うっとりとしたロマンチックな気分や、楽しさを湧き上がらせるのだ。


女性のために素敵な驚きを用意することによって、茶目っ気に満ちたあなたの一面を引き出すこともできる。そしてそれは、女性とデートするためには、なかなか好都合なことなのだ。たいていの女性は、よく気がついて積極的で、おろしろくてユーモアがあり、しかも予測できない素敵なことをしてくれる、という特質をすべて兼ね添えた男性を理想としている。驚きに満ちたデートを考え出すあなたは、思いがけないことをする、わくわくさせてくれる男性だと思われる。そしてそんなデートが楽しくないはずはない。そして、勝負デートに驚きの要素を取り入れたら、恋人同士になってからもその努力をぜひ続けてほしい。二人の関係に刺激と新鮮さを与えてくれるからだ。


著者はまた、女性たちにこれまで最高だと思うデートについてインタビューし、そのどこが良かったのかを尋ねてみた。すると、デートを素晴らしいものにする秘訣の一つは、ふだんはしないことをすることだという答が返ってきたのだ。


「私は、ふだんの生活から連れ出してもらいたかった」


とある女性は言った。


「一人では、いえ、友だちとでも行かないような場所へ連れて行ってくれる男性を探してた。街のはずれにあるおしゃれなコーヒー・ショップでも、バレエの公演でも構わない。とにかく、男の人が、私のことを、それだけの手間をかけるのにふさわしい女性だと思い、そう扱ってくれていると思うと感激するのよ」


秘密、驚き、不思議。それらすべてが女性の心を虜にするのだ。


ブルースに、FBIの女性捜査官のような服装で来てほしいと言われたとき、ウェンディはたちまち興味をかき立てられた。奇妙な注文だと思いながらも、好奇心をいたくくすぐられたのである。そして、彼の考えたデートがどんなものなのか早く知りたくてたまらなくなった。わくわくするような冒険に誘われたことによって、自分が大切にされ、価値を認められているのだと感じた。しかもとても楽しそうだ。ウェンディは、色っぽい女性捜査官に扮してブルースとふざけ合うのが楽しみで仕方がなかった。そしてこれこそ、ブルースが望んだ通りの反応だったのである。