第1293冊目 モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


ブルースは常に出会いのチャンスを窺っている。ブルースが女性にモテるのも、彼が決してあきらめないからだ。ブルースは、どんな状況にあっても、女性と出会い、誘うきかっけを見つけている。


つまりあなたにとっては、すべての女性が潜在的な候補者なのだ。誰でも、あなたとデートしたり、ガールフレンドになったり、一晩限りの遊びを楽しんだり、結婚相手になったり、あなたの子供の母親になったり、それ以外のあなたが望む何にでもなり得る。どんな状況にいても、見込みはあると思えば、あなたは相手になりそうな女性を物色し、実際に働きかけることができる。


だから、すべての女性に話しかけよう。今の段階であなたが声をかけるのにふさわしい女性の要件は、ただ一つ、息をしているということだけだ。これはとてもわかりやすい。


ブルースはゲーム感覚で恋を楽しむ


「ゲーム」という言葉を聞いて、あなたはどんな印象を持つだろう? ゲームと聞いて競争を思い浮かべる男性は多い。それも、戦いや衝突、そして負けて打ちひしがれるといったことを連想させる激しい戦いであることがしばしばだ。あるいはあなたは、ゲームという言葉を、相手を操る知的な策略に結びつけるタイプの男性かもしれない。ゲームという言葉に、楽しさや、創造性の表現、自由、驚きなどを感じる人々もいる。


この本の中で使われる「ゲーム」には、楽しくて、失敗してもどうということないものという意味が込められている。たいていの男性にとって、女性とのデートは人生の重大事で、少しでも失敗すると自尊心を大いに傷つけられてしまう。デートは大変な仕事で、あたかも男らしさを試されているかのような気になってしまうのだ。しかしその考え方を改めてほしい、と著者は考える。深刻に考え過ぎるのをやめて楽しめば、デートはずっと気楽なおのになるはずだ。


ブルースは、デートをゲームだと考えている。あなたもそれを見習うべきだ。すると人生がもっと自由で明るいものになる。そしてブルースの魅力の秘密は、何よりもこのゲーム感覚にあるのだ。楽しく、茶目っ気があって深刻ぶらないブルースを見て、女性たちは彼の人生に加わりたいと願いを抱くのだ。


ゲーム感覚でデートを楽しむためのルールを次に挙げておこう。


ルールその一 何があっても、自分に非があるとは考えない……女性がどんな行動を取ろうと、それを自分を非難するものだと受け止めてはいけない。それなら、女性が「やめて」と言うのを無視して、彼女を抱きしめ、キスしてもいいということだろうか? もちろんそんなわけはない。ただ、女性に「ハーイ!」と声をかけてにらまれたとき、あるいはデートに誘って断られたとき、自分が悪いのだと思う必要はないとうだけのことなのである。自分を責めれば悩みが生じ、セックスへの道も閉ざされる。


女性の振るまいを自分への非難だと受け止めてしまうと、デートはもはやゲームではなくなり、楽しさも失せてしまう。


ブルースは、女性の拒絶によって目的を見失ったりしない。彼はそれを苦もなく乗り越えていく。それができるようになれば、あなたも他の男たちに何光年もの差をつけることができるのだ。


逆に、あなたに声をかけられた女性がそれを歓迎する素ぶりを見せたとき、ぜひ自分をほめればいい。相手はぼくに魅力を感じている。そしてそうさせたのはぼくなのだとしっかり心に刻みつけよう。つまり、うまういけば自分の良さが認められたのだと思い、うまくいかないときには自分を責めないことが大切なのである。


ルールその二 陽気にやる……著者は先日、年は人並み以で太り気味の保険のセールスマンが、若くてきれいな女性にちょっかいを出しているのを目撃した。著者が食事をしているレストランに彼がトイレを借りて入ってきたのだ。その男は、壁に掛けられた絵についてレジの女性に何やら質問し、その絵の下手さ加減や時代遅れなことについて冗談を言った。その女性はおかしそうに笑い、にっこりした。席に案内しましょうかと尋ねると、男は近くの食料品店に買い物に行く途中だからと断り、別れの挨拶をしようと彼女の報に手を伸ばした。彼女が手を伸ばすと、男はその手を取り、ゆっくりとキスをし、


「きれいで素敵な女性に会えて光栄です」


と言った。女性は赤くなり、彼のおかげで取り乱してしまったのを知らせるようにメニューで顔をあおいだ。そして、持ち帰り用のコップにコーヒーを渡しながら、少し休んで話をしていってと頼んだのである。容貌は人並み以下でも、このセールスマンは陽気に振るまうことで、女性をうっとりさせる術を心得ており、だからといとも簡単に女性をデートに誘い、セックスすることができるのだ。


ルールその三 あきらめない……どんなゲームもそうであるように、ねばり強さが結果に差をつける。勝てるはずがないと思うゲームでも、あきらめずにとにかく勝利を目指してプレイすれば、ゲームをずっと楽しいものにすることができるのだ。これこそブルースの態度だ。彼にとっては、女性が誘いに乗ってくるか来ないかは問題ではない。恋のゲームにどのように臨むか、そして勝算が薄いと思われるときも勝利を目指して努力することが大切なのである。誘っても寝てくれる女性はほtんどいないが、ブルースは気にしない。ただ、声をかけた女性のことは押せるだけ押してみて、ダメなら次の女性に目標を移すまでだ。ゲームは、あきらめればそこで終わりだとうことブルースは知っている。そしてゲームが楽しいから、投げ出すつもりはないのだ。


ルールその四 確率を楽しむ……第二章で述べたが、女性とのつき合いは、確率で考えるとおもしろい。恋のゲームを楽しめるように、女性の誘いをかけることを数字で考えることができるようになって、プライドを賭けているという悲壮感がなくなる。たとえば、ある夜、バーの遠く離れた席に美しい女性がいるのを見つけたなら、女性を家に連れ帰る可能性を割り出してみるのだ。彼女があなたと話してくれる可能性は五パーセントぐらいのことだろう。酒をおごらせてくれる可能性は一パーセント。その夜彼女とセックスできる可能性は0.五パーセントだ。その女性がそれほどの美人ではなく。しかももっと酔っていたら、可能性は高くなる。バカなことを、と思うかもしれないが、こういう方法を試してみることによって、陽気にやる土台を作ることができるのである。


ここに挙げた四つのルールを守れば、デートはゲームだと感じられるようになり、デートは怖いものでも恐ろしいものでもなく、誰にとっても楽しいものになる。ご存じのように、ゲームをしていれば、好調なときも不調なときもある。勝つこともあれば負けることもある。恋愛というゲームにプライドを賭けて取り組んだり、いつも勝てないからといって自分を責めることはないだろう。