第1289冊目 PRESIDENT (プレジデント) 2013年 4/29号 [雑誌]


PRESIDENT (プレジデント) 2013年 4/29号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2013年 4/29号 [雑誌]


上司に声をかけるタイミング、報告の順番


言うまでもなく会社は組織だ。仕事はチームで行うものであり、お互いがどのような動きをしているのか、コミュニケーションを密にし、理解しておかなければならない。そのために必要なのが報告・連絡・相談。略して「ほう・れん・そう」だ。


「とくに直属の上司には報・連・相と、その内容の確認を習慣化しましょう。そうすることでミスやトラブルを少なくすることができますし、上司との信頼関係も築けます」と語るのはマナーコンサルタント西出ひろ子さん。


ただ、若手にとってはこれがなかなか難しい。まず上司に声をかけるタイミング。忙しそうなとき、パソコンに向かっているときなどに声をかけたら気を悪くされそうだ。


「しかし、それを恐れて報・連・相を怠るほうがよくないことなのです。職場の雰囲気や上司の人柄によっても異なりますが、基本的には与えられた仕事にひと区切りがついた時点で上司のデスクの脇まで足を運び『今、お時間よろしいでしょうか?』と話しかけるようにしましょう。本当に忙しくて話を聞く時間がなければ『三〇分後に来て』といった反応があるはず。それに従えばいいのです」


新入社員は職場の空気が読めなくて当たり前。少々の間の悪さは大目に見てもらえるし、問題があれば先輩がアドバイスしてくれるもの。チャレンジを繰り返して、ちょどよいタイミングで覚えていけばいいのだ。


上司への話し方だが、最初に結論を述べるようにするクセをつけること。「○○の資料ができました」とか「A社の○○さんとアポイントが取れました」という具合だ。


「これなら話は短時間で済み、上司も対応しやすくなります。次いで事実を具体的に述べます。5W1Hを含めて時間、数量などの数字、固有名詞は正確に伝えるようにしましょう。『多く』とか『遅くに』といった曖昧な表現や自分の感想などはできるだけ避けるべきです」


報・連・相を簡潔かつ正確に行うには、話の内容をあらかじめメモにまとめておくことも大切。そして述べたことに対しては上司の反応やアドバイスがあるはずですが、その「確認」も忘れずに。


時には「そんな些細なことまで報告しなくていいよ」と言われることもあるだろ。が、勝手にわからない最初のうちは些細なことでもすべて述べるようにしよう。


「なかには上司からそう言われたからといて、重要なことまで報告・連絡しなくなる人がいますが、それが一番よくありません。『手のかかるやつだ』という顔をしていても、実は上司は自分に何でも話し、聞こうとする人がかわいいもの。些細なことがどうかは自分で判断せず、事実のすべてを述べるようにしたほうがいいのです」

  • 報告のポイント

①一日の終わりに必ず報告
仕事が終わったら上司に、内容を報告する。途中経過も。
②報告事項の整理
報告事項の要点をあらかじめメモしておき、簡潔の報告。
③上司への声のかけ方
上司がいれば「今、お時間よろしいでしょうか」と一声かけて報告を始める。
④結論から始める
「○○社は○○総務課長が対応してくれました」といった具合。相手の名前、何分ぐらい話せたか、相手の反応など、事実を簡潔に述べる。

  • 連絡のポイント

①連絡はいち早く
仕事は常に動いている。変更事項や新たな動きがあったら、早めに上司に連絡する。
②急を要する連絡事項
思わぬアクシデントや予定の変更は電話で上司に連絡をし、指示を受ける。帰社後改めて詳しく状況を説明する。
③小さなこともこまめに
連絡事項の優先順位がわからない新人のうちは小さなことも含め、すべて連絡したほうが上司は安心する。やがて「そこまで報告しなくてよい」と任されるようになる。

  • 相談のポイント

①相談しながら仕事を進める
仕事はチームで動く。自分ひとりで判断せず相談する。とくに新人は小さなことでも相談することを習慣づけたい。
②相談内容を整理しておく
仕事の進捗状況、課題、課題への対処法を、自分の考えも含めてメモに整理したうえで相談する。短時間で的確なアドバイスを受けることにつながる。
③ミスをしたときも正直に語る
いわずもながだが、ぐずぐずしていると状況は悪化する。