第1220冊目 成功する男はみな、非情である。 (だいわ文庫) [文庫] 角川 いつか (著)


成功する男はみな、非情である。 (だいわ文庫)

成功する男はみな、非情である。 (だいわ文庫)


女性社員には「均等に」接するのが基本


あなたには、(恋愛感情ではなく)「お気に入り」の女性社員がいますか?


気が合う、愛嬌があり好ましく思う、テキパキと仕事ができ気持ちがいい、素直で頭がいい……こうした女性のことがお気に入りになるのは当然ですよね。


対して、暗く陰気で言葉がハッキリしない、なんとなく肌が合わない、要領が悪くイライラさせられる、常識的すぎて面白みに欠ける……といった女性のことは、あまり好ましく思わなくても仕方ありません。


しかし、それを表に出してはいけません!


特定の女性と親しげに接していると、男性からすれば、なにも問題がない、なんとも思わない、という程度でも、女性からは「えこひいき」「特別扱い」ととられかねませんから。


女性に強くある保守精神は、横並びの仲間意識を強固につくります。そのうえ些細な優劣を競い合う心も強く持っています。さらに、男性に好かれたいと思うのは当然の心理ですし、またキャリア志向の女性なら能力や結果で平等に判断して欲しいとも思います。


心理学的にも、女性は男性に比べ「親和欲求」と「依存欲求」が強いという実験結果が出ています。親しい関係をつくり平和にやっていきたいし、いろいろな物事(男性も含む)に依存したがる気持ちも強めなのです。


そうした特徴を持つ女性からすると、男性が「まったく問題ない」と思うような接し方でも、問題アリとなってしまうわけですね。例えば、

  • お気に入りの女性とは楽しそうにしばしば雑談し、そうではない女性とは愛想よく接する程度。
  • 仕事がデキるからと、全幅の信頼をおいている雰囲気で、特定の女性にばかり気さくに仕事を頼む。
  • 「いつも笑顔で気持ちいいね」など、人前で一人の女性ばかりを大っぴらにほめる。
  • 「よし、それでいこう。俺たち気が合うな」と冗談気にでも皆の前で言う。


など、男性からすれば「当然だろう」と思えることが、女性からすればあなたへの反感となり、さらには「お気に入り」の女性の立つ瀬をなくすこともあり得ます。


お気に入りで親しいからといって、その女性が問題を起こしても注意しない――。これは最悪で、絶対に女性たちから白い目で見られます。


特別扱いをしないこと。そのように見られないこと。


これが原則です。


ほめる時は陰でほめる。職場での会話は、控えめに短時間。デキる女性に仕事を頼む時は、節度ある事務的な態度を保つ。これらを意識しましょう。


もちろん、女性社員それぞれの能力や性格などに応じて、接し方は変わります。そうしなければ女性の有効活用はできませんし、女性社員もつらい目にあいかねません。


しかし、「えこひいきだと思われないようにしなくちゃ」と、ビクビク臆病になる必要はありません。ただ、お気に入り・えこひいき・特別扱いなどと見られないように、表向きは「均等」に接することが肝心だということですね。


要は簡単なことで、目立たなければいいのです。