第1186冊目  デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21) [新書]日本語力向上会議 (著)

デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21)

デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21)


目の動きをしっかりチェックする


「目は口ほどにものをいう」とはよくいわれることだ。目の動きは説明する内容より、ときには重要なポイントになる。力強いか、おどおどしているか。この違いは、相手からの信頼を得ることができるか、できないかを分けるポイントになる。


視線をあわせなかったり、目が落ち着きなく動いていると、相手は「やましいことでもあるのかな。何だか、信頼できそうにないヤツだな」といった印象を抱く。逆に、きちんと目を合わせて話す人には相手も信頼をおく。「この相手となら、一緒に仕事ができそうだ」と思わせれば、スムーズな関係になるはずだ。


説明するときはこの「目力」をきっちり使っていきたいし、ポイントは三つある。


ひとつは、視線はつねに相手の顔の上に置いておく。といっても、たえず相手の目を見なさいといっているのではない。見つめあうと息苦しさを与えて、かえってマイナスだ。目線をしたに落としたり、上に上げすぎたりしない位置、下は相手のネクタイあたり、上は眉毛のあたりまで、左右は耳の延長線上をはずさないところまでが相手の顔の範囲とすれば、見つめあわず、しかも相手の顔を見て話ができる。


ポイントのふたつめは、目線をはずすタイミングだ。資料に目を向けるとき、メモをとるときなどがタイミングとしてはベストになる。相手から目線が返ってきて、そのとたんに目線をはずすというのは、自信のなさをあらわしていると受け取られる。目線をはずすときは、ゆったりが原則だ。


ポイントの三つめは、説明の要所要所で、力強い視線を相手に送ること。


「問題は、いまこの時点でどんな選択をするのがいいかということです」


大切な点を説明するときは、はずした目線から、相手の目に焦点を当ててキリリと視線を送る。説明には言葉でのメリハリも必要だが、目線でのメリハリはそれをあらにサポートするものになる。日ごろ、相手と向かいあうと目の遣り場に困るという人は、このポイントを押さえて「目力」訓練をしたいものだ。


意識せずに、漠然と相手の顔を見て、説明をしていると、いざというときの「目力」は役に立たない。説明に気を取られているとつい、資料に目を落としたまま話したり、目線を宙に泳がせてしまたり、自社側の人間に助けを求めて視線を送りがちだ。説明しているのはあなた、その内容を伝えたいのは、仕事相手だ。そのことをつねに意識しておきたい。