第1143冊目  人の印象は3メートルと30秒で決まる―自己演出で作るパーソナルブランド (祥伝社新書 105) [新書]江木 園貴 (著)



?礼儀正しく見せる 立ち止まって挨拶をする


これは、よく新入社員のセミナーで教えていることですが、会社の内外にかかわらず、見知った人とすれ違ったときは、必ずいったん立ち止まって、相手のほうに向き直って挨拶をしましょう。相手に敬意を払っていることが伝わり、「礼儀正しい人だ」という印象が残ります。


特に、まだ社会経験の浅い若い世代の人は、相手に声をかけられたら、自分のやっている作業の手を完全に止めて、相手のほうに向き直り、「はい、なんでしょうか? うけたまわります」と聞く態度を見せると、誠実さをアピールできます。


上司など、目上の人に呼ばれた場合は、メモを持って立ち上がり、その人の隣に行って用件を聞くことです。何か作業をしながら、顔も上げずに返事だけをする姿勢は、いただけません。


そんなに堅苦しい……と感じかもしれませんが、まだ常識やビジネススキルが完璧に備わっていない若い人の場合、礼儀正しさを徹底しておくことが、のちのち財産になるのだと、心に留めてください。


?相手への関心の高さを示す 話の内容に合わせて手を動かす


いまや、経済人が身振り手ぶりを入れて話すことは常識となっています。会話を補足するように手を動かすことも、有効なボディ・ランゲージです。


話を聞く立場であっても、同意や共感の相槌と一緒に、手振りを加えることで、より話し手への関心が高いことをアピールできます。


?自分の映像を撮ってみる


自分の話し方を知るために、自分の声を録音して聞いてみるのと同様に、自分がどういう姿で相手に見えているのか、ビデオ撮影してチェックしてみることは、いい勉強になります。私のスピーチ・トレーニングでは必ずやっているプログラムです。


声同様、自分の所作は、思っていた自分の所作とは違うのだ、ということがわかります。


撮った映像で自分の姿を客観的に見てみると、自分がどれほどガサツな立ち居振る舞いをしていたか、姿勢や動作が上品とはほど遠いではないかと、愕然とする人も少なくないでしょう。


それで落ち込んではいけません。自分で自分を知る(=「気づき」)は、自己演出には欠かせない過程なのです。


また、撮った映像を他人に見てもらうと、悪いことばかりではなく、自分のきづいていなかった魅力に他の人から気づかされることもあります。


ほとんどの人は、「え! 私はこんなに太っているの!」とか「髪のセットが乱れた!」など、自分の欠点ばかりが見えて、拒否反応を起こします。そこで他人に見てもらうと、「肩が下がっているのはよくないけど、表情がいいね。いい笑顔をしているよ」というように、冷静に指摘してくれますから、撮った映像は、第三者から評価を受けることも大事です。


気に入っていた部分ではない魅力が見つかるかもしれませんし、自分を過大評価しすぎている点にも気づくはずです。プラス面もマイナス面もきちんと受け入れて、自己演出に活かしていきましょう。