第1139冊目  入社1年目の教科書 [単行本(ソフトカバー)]岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書


自分にとって都合のいい先生を探せ


セミナーやビジネス書を通じたスキルアップに対して幻想を抱いている方、多いのではないでしょうか。


そもそも、セミナーに行っただけで仕事ができるようになるにはならないでしょう。


セミナーに頻繁に通っている人の言い訳に、こんな言葉があります。


「金額と中身は比例するんだよ」


「参加者の人種が違うから、セミナーの金額は高ければ高いほどいい」


セミナーに行くのは自由です。僕もセミナーに行くなとは言いません。ただし、1回のセミナーに高いお金をかける必要はないと思います。高額なセミナーに通い詰める人が言う言葉も、その人が信じているだけで、何の裏づけもありません。


セミナービジネスを批判する場ではないのでこれ以上の言及は避けますが、基本的にはセミナーもビジネスであることだけは認識しておいてください。


それよりも、人間は5万円かけようが50万円かけようが、よほど本人の努力が伴わない限り、大して変われないということを覚えておいてほしいのです。


人間の成長という観点から考えると、50万円は大した金額ではありません。断定はできませんが、500万円かけて5年間にわたって何か一つのことをやり続けた場合、何らかの意味あることが得られるかもしれません。でも、50万円かけて半年間やっても、5万円を払って1ヶ月間やっても、すぐに元の自分に戻ってしまうのが関の山です。


中途半端なお金をかけてセミナーに通っても、人間はそう簡単に変われるものではありません。変わるには、膨大な労力と時間がかかります。そうしたことを理解したうえで、お金を支払ってください。


単に聞いているだけ、インプットしているだけでは、せっかくの勉強会もいみのあるものにはなりません。繰り返しますが、常に自分の仕事との関連づけを行い、アウトプットにつながるように勉強会を利用しなければなりません。ただ単に時間を共有しただけでは、それこそ時間の無駄です。


僕が言いたいのはモチベーションは何でもいいということです。美人講師だから頑張る、イケメン講師だから頑張る。それでもいいと思うのです。やる気にさせてくれる存在であることに意味があるのです。


勉強を続けないと人は変われません。続けるためには、自分にとって都合のいい先生、自分にとって心地よいペースメーカーを見つけることですべてが決まるという気がしています。


裏返せば、自分にとって心地よい先生が最良の先生であり、最長のペースメーカーなのです。それが勉強を継続する原動力となり、継続することで、新た何かを得ることができるのです。