第1137冊目  「男のマナー」にはツボがある! (青春文庫) [文庫]城田美わ子 (著)


「男のマナー」にはツボがある! (青春文庫)

「男のマナー」にはツボがある! (青春文庫)


聞き上手を演出する、あいづちの打ち方の奥の手


会話中、相手とのコミュニケーションをとるうえで、「あいづちを打つ」という行為はとても重要な役割を担っています。


「わたしは、あなたの話をきちんと聞いていますよ」


という意志を示す行為であると同時に、相手が話しやすい雰囲気をつくってもいます。また、会話の流れにテンポを持たせることにも一役買っているのが「あいづち」です。「ああ、なるほどね」「そんなこともありますよね」「それで、どうなりましたか?」など、相手の話にあわせたあいづちは、話し手に心地よい安心感を与えるものです。


つまり、あいづちを打つことが、絶妙にできる人は、聞き上手であるということにほかなりません。では、聞き上手な人のあいづちの打ち方とはどんなものなのでしょうか。


ポイントは4つに絞られそうです。


ひとつ目は、相手の話を真剣に、ちょんと聞いているということを態度で、言葉で伝えることです。


聞くときの姿勢は、いわゆるふんぞりかえった態度はいけません。ふかふかなソファは背もたれに体を預けてしまうとその態勢になりがちですから、注意しましょう。また、テーブルの上にあるものをやたらと触らないこと。落ち着かないその様子に「話、聞いていないんじゃないか」と見られてしまいます。


あいづちの言葉は重要です。まず、会話する相手がだれなのかを考えましょう。友人知人なら気楽な言葉遣いがよくても、目上の人やビジネスの相手ならば、くだけたもの言いはマナーに反します。たとえば、相手の話を肯定したり、賛同したりする「なるほど」という言い方。友人知人なら「なるほどね〜」「なるほど、そうか」などの言い回しは、ちっともおかしくありませんが、相手が目上の人やビジネス場面では、少しくだけ過ぎになると思いませんか?


「ごもっともです(ございます)」
「おっしゃる通りかと思います」


2つ目のポイントは、話の腰を折らないことです。相手の話が本筋からどんどん離れてしまい、ホンネでは「まいったな〜」と思っていても、相手の話は最後まで聞くようにします。本筋から逸れたことを話し手が気づいて自ら軌道修正するかもしれませんし、無駄話と思える話のなかにも、貴重な情報がちりばめられていることもあるかもしれません。


ポイントの3つ目は、相手と意見の相違を感じたとしても、「でも」「しかし」と反論でうけとってはいけないということです。相手が話し終わるのを待ち、それにつづけて、相手の意見を尊重する言葉を述べ、それから「別の見方をすれば……」などと、自分の意見を述べるのです。人間は否定されることに不快な思いを抱くもの。相手が目上の人であれば、より失礼な感じはいなめません。


そしてポイントの4つ目。それはメモをとることです。ビジネス書には「メモのとり方」という項目があげられていてその重要性が語られていますが、これを「あいづち」の項目に加えてはいかがでしょう。会話のなかにキラリと輝く言葉があれば、サッとメモる。相手が語るウンチクでもいいし、グルメ情報でも映画情報でも、なんでもいいと思います。


メモをとることで、相手には真剣に、話をもらさず聞いていることが伝わりますし、相手の自尊心をくすぐる効果もあります。そして何より、アンテナに引っかかった言葉を書き留めておくことで、自分自身の雑学を増やすことにもつながります。この「メモあいづち」おすすめです。