第1127冊目  学び続ける力 (講談社現代新書) 池上彰 (著)


学び続ける力 (講談社現代新書)

学び続ける力 (講談社現代新書)


記者会見待ちの時間も本を読んでいた


大きな事件が起きると、ひたすら記者会見場で待っていなければいけないときもあります。あるときずっと本を読んでいたのを見られたのでしょう。後から先輩に嫌みを言われました。「本を読んでいる暇があったら、少しでもネタが取れないか動き回ったりするもんだ」と。


そんなことをしても無駄であると判断して本を読んでいたのですが、通用しませんでしたね。すべての時間を会社に捧げるというタイプではなかったので、評判はよくなかったかもしれません。


でも、とにかく手持ち無沙汰なのが嫌なのです。


本好きというのは、そういうもの。文芸評論家の斉藤美奈子さんの講演を聴いたときのこと。「本好きというのは、手元に読む本がないまま時間が空いてしまうのが恐怖。いつも何冊か手元に本を持ち歩くもの」という話に、わが意を得たり、と思いました。


たとえば、東京から大阪に新幹線で日帰り出張するときのことを考えましょう。行きの車内で読む本を一冊。帰りに一冊。ここまでは本好きの人なら用意するでしょうが、私は「新幹線が止まったら」と考えて、さらにもう一冊用意するのです。結局読まずに持ち帰るのですが、こうしていないと不安になるのです。本好きというのは度し難いですね。