第1158冊目  人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書) [新書]福田 健 (著)


人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)

人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)


あいづちの打ち方に変化をつける


話を聞きながら、時折首をタテにふって無言で頷く人がいる。聞くほうはわかって聞いているのだろうが、話し手としては、できればもっと合いの手がほしい。声に出して「わかりました」「なるほど」「そうですか」などの、あいづちを打って聞いてくれば、いっそう話す張り合いが出る。あいづちは、「相槌」と書き、鍛冶で互いに打ち合わせるくしのことをいうが、話し手の話に応じて言葉を発する聞き手側からの合いの手といってよい。


同意のあいづち
もっと多く用いられ、内容を理解したり同意したりしたことを示す「あいづち」。
「わかった」
「そうか、そういうことか」
「なるほど」
「まったくね
「そう、そう」
「確かにね」
「そのとおりですね」
「ごもっともです」
「わたしもそう思います」


共感のあいづち
「へえ」
「ほお」
「驚きました」
「大変だったでしょう」
「本当にそうだね」
「わかるな、そういうことってあるんだよ」
「だから、世の中って、面白いんでしょうね」
「同感ですね」
など、同感・共感を示すあいづち。ただし、感情を込めないと、言葉が浮いてしまう。心を込めて、表情をまじえて発することだ。


促進するあいづち
「それから」
「それで」
「その後はどうなったんですか?」
「その先を聞きたいですね」
「他にどんな話が出たんでしょうね」
「よかったというのは、たとえばどんな点で、ですか?」
話が途切れたときに、先に促すあいづちとしては、
「それからどうしたの」
が代表的なあいづちで、むしろ相手から話を引き出す「質問」に近い。


整理するあいづち
相手の話が要領を得ない場合、ポイントを整理したり、順序を入れ換える、組み替えるなどして聞くと、何を言いたいからが見えてくる。そこで、
「ひと言でいうと、こういうことですね」
「つまり、これとこれが言いたいわけでしょう?」
「結局、機械は人間をこえるということですか?」
などのあいづちを打って、要点を整理する。話し手にすれば、自分の言いたいことを整理してもらえて、
「そう、それが言いたかったんですよ」
と、すっきりした気分になって、話を先に運ぶことができる。


軽い驚きのあいづち
「知らなかった」
「本当ですか」
「ビックリするなあ」
若い人がよく使う「マジで?」「マジッすか」なども、驚きのあいづちに入る。話し手からすれば、聞き手から驚きのあいづちが帰ってくるのは嬉しいものである。また、人の話を驚きをもって聞けるのは、心が若い証拠といえる。