第1156冊目  「あがり症」を技術と習慣で克服する! (Doyukan Brush Up Series) [単行本(ソフトカバー)]箱田 忠昭 (著)


「あがり症」を技術と習慣で克服する! (Doyukan Brush Up Series)

「あがり症」を技術と習慣で克服する! (Doyukan Brush Up Series)


手本を探すモデリング


あがりを直そうと一人で悩んでいても、やがては行き詰まるものです。独学に限界があるのはどの世界でも一緒でしょう。


そこで、私がお勧めしたいのは、あがらずに堂々と話している「お手本」となるような人を探すということです。


あなたの周囲に一人か二人、堂々とスピーチをしている「お手本にしたい人」という方がいるはずです。


あなたはその人を自分のモデルにして、会議の発言でも、朝礼でも、堂々と話をしていくように心がけるのです。


この場合は、ぜひ「具体的にマネる」ように意識してみてください。


「山田次長の、会議でのボディランゲージにはほれぼれした、自分も力強いあおの手の動きを身につけたい」


「大山部長のセールストークはすごいね。自分ならあがってしまうような初対面の人に対しても、主張をする時の声の力強さは一品だから、身につけたい」


というようにします。今の例のように、ボディランゲージは山田次長、声の力強さは大山部長、というように何人ものモデルがいて構わないわけです。


昔から「学ぶ」は「マネぶ」からきているといわれるくらいに、まず人から学ぶにはマネをする所から始まるのです。


このモデリングの手法というのは、スピーチが途中であがってしまった時にも有効です。パッっとその場でモデルをイメージしますので、私は「インスタント・モデリング」と呼んでいます。


例えば、あなたがプレゼンの最中にストーリーを忘れて、あがってしまったとします。


何もモデルがないと、「どうしよう」とうろたえてしまい、あがりはますます増してしまうものです。


ところが、もしもあなたにモデルがいたら、「インスタント・モデリング」で、境地を脱することも可能です。


「前回のプレゼンでは、林部長のストーリーはわかりやすかった。堂々と話していたな」というイメージを浮かべます。すると、不思議なもので、嘘のようにあがりがおさまってくるものです。


あがりのみならず、仕事においてもインスタント・モデリングで、あなたの能力を伸ばしていけるのです。