第1153冊目  就職活動を勝ち抜く「見た目力」―面接試験に必ず通るための「自分」を見せるマル秘テクニック [単行本(ソフトカバー)]竹内 一郎 (著)



「間」を取ることで、言いたいことが伝わりやすくなる


緊張していると、人間はいつもより早口になります。


ただでさえ面接試験は緊張しますが、限られた時間で少しでも自分をアピールしたいと思えば、なおさら早口になりがちです。しかし、早口は、相手にせわしないとか、落ち着いていないという印象を与えます。それに、滑舌の悪い人が早口で話すと、何を言っているのか伝わらないこともあります。


あまり落ち着いているのも逆効果ですが、早口にならないように、いつもよりゆっくり話すくらいの気持ちでいたほうがいいでしょう。


ゆっくりと話すための心がけをひとつ教えます。


それは、大事なことを言うときには、直前に少し「間」を置くことです。


テレビのドキュメンタリー番組のナレーションを、耳を澄まして聞いてみてください。次に大切な言葉が来るときには、その前に必ず「間」を取っています。


プロジェクトX〜挑戦者たち〜』というNKKの人気ドキュメンタリー番組がありました。ナレーションは、田口トモロヲさん。独特の「間」の取り方で一言ひとことをハッキリと力強く語り、視聴者を番組の世界に惹き込んでいきました。


CMのナレーションでも、企業名や商品名を言う前に、必ず「間」を置いています。


「間」があることで、聞くほうは次に何の話をするのだろうと耳を傾けるものなのです。


「話し上手は聞き上手」といいますが、相手の話すタイミングを読んで、「間」を置くことが大切です。グループ面接で話に割り込むように話したり、言葉がぶつかったりすれば、面接官に不快感を与えかねません。


「間」は普通、息を吸う時間、すなわち1秒くらいがちょうどいいと思います。


話す上手はその「間」を巧みに駆使しますが、面接でうまく「間」をつくるには、どうしたらいいのでしょう?


まずは自分の話し方の特徴をチェックすることです。例えば、自分のセールスポイントを書いて、読み上げてみましょう。声に出して読むことで、意味が通っていても回りくどい表現だったり、文章が長くて何を言いたいのかわからなかったりと、欠点が見えてきます。的確な文章を書ければ、どこを強調して伝えたいのか、客観的に理解することができて、どこに「間」を置けばいいのかわかってきます。


それをケータイやスマホボイスレコーダー機能で録音して、自分でチェックしてみましょう。気恥ずかしいものですが、客観的に判断することができます。また、内容はもちろん、話し方や滑舌、声のトーン、メリハリが利いているかどうかもわかります。


なお、エントリーシートなどに志望動機や自己PRを書くときには、普段から文章に書き慣れていないと、堅めの表現になりがちです。何かを書くときに身構えてしまうからですが、思いついたときにボイスレコーダーで録音して、書き起こして整理して、そこから文章を組み立てて直してみましょう。そうすることで、あなたらしい志望動機、自己PRになるはずです。さらに、「間」の取り方を考えながら何回か音読、自分の言葉にしていけば、口よどむことなく話せ、面接官にアピールすることができます。