第1115冊目  すごい説得力: 論理的に考え、わかりやすく伝える話し方 (知的生きかた文庫) [文庫] 太田 龍樹 (著)


何気ないけど効果絶大な「手の動き」


ジェスチャーすることの大切さを述べてきましたが、そもそもどのように手を動かせばいいのか、と疑問に思われた方もいるでしょう。


「イラストレイター」という用語があります。


これは、「説明的行動」や「例示的しぐさ」という意味です。


単語を補う非言語的行動であり、話の内容を「描写的に」表す役割を果たします。


たとえば、「雨がしたたり落ちる」というとき、手のひらを天に向け、上下に動かすようなしぐさがそれに当たります。


グレアムとアーガイリルという学者は、二次元的図形についての情報を、被験者に手のしぐさを交えて伝える、手を使わずに伝える、という実験を行いました。その結果、言葉だけでなく、イラストレイターを交えて説明したほうが、聞き手が正しくその図形を理解できることがわかりました。


このように、手の動きには、相手のより深い理解を促進する効果があるのです。