第1092冊目  心を上手に透視する方法 [単行本(ソフトカバー)]トルステン・ハーフェナー (著), 福原美穂子 (翻訳)

心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法


相手を親密になるための「視線」の使い方


目を閉じるということは、「自分を閉ざす」こと、つまい外界を遮断しようとすることだ。


外からの刺激を断ちたいのだ。もう何も発信せず、どんなシグナルも受け取りたくない。その行為は、いくつかのことを表している。


疲れていて、周囲が働きかけてくる刺激から少し休みたいのかもしれない。もうそれ以上の情報を得たくなくて、少しの間スイッチをオフにしたいのだ。


あるいは、何かショッキングな知らせがあり、それを受け入れたくないのかもしれない。このような場合も、人は目を閉じて「今は見たくない。もうやめて」と、非言語で伝えている。洪水のような情報にさらされたときも、自分を守るために目を閉じる。もしも話し相手がそういう状態になったら、話の内容を無理強いしないように少し待つべきということだ。


僕は、その大部分をザミー・モルチョの分析にしたがって行った観察と、神経言語プログラミング(NAP)の視線の動きについての理論とを結びつけてみた。それが、僕の信頼している方法だ。


この方法を用いると、相手の内面でひそかに起きていることについて、多くを知ることができる。あなたもこれからは、非言語のサインを解読する道具箱から、重要な道具を取り出して使えるだろう。そうした知識によって、話している相手の行動を有益に誘導できる。しかしそのことは秘密にしておいてほしい。とても効果があって、価値がある宝物なのだから。


たとえばプライベートの場面でも、これはとても役に立つ。


あなたがとても興味を持っている相手と会う約束をしたとしよう。最初から視線でのコンタクトをたくさんとり、相手の目の奥をしっかり見るといい。すると相手はいい気分になる。ただし、やりすぎないよう注意することも必要。それが大切だ。


その後、晩になったら、あなたが大事だと思っている話題を切り出す。そして視線をそらし、自分の手やグラスを眺めるのだ。ここからは絶対に、相手の目を見てはいけない!


そのとき次のことが起こる。相手は、何かが変だ、あなたとのつながりがなくなってしまった、と感じる。相手は関わりをもとうとして、よりオープンに、より正直にあなたと話すようになる。


相手がこのような行動に出たらすぐ、また目線を合わせて、その話の続きを教えてほしいと伝える。こうすれば、あなたの目的はより簡単に達成でき、相手をあなたの味方につけることができるにちがいない。