第１０７５冊目　一瞬で自分を変える法 (知的生きかた文庫) [文庫]アンソニー・ロビンズ (著), 本田健 (翻訳)

成功が成功を呼ぶ「アンカリング」の方法

簡単なアンカリングの練習をしてみよう。

立ち上がって、やりたいことは何でもやれるという自信に満ち満ちている時の自分を思い出し、その時と同じ生理状態を再現する。

自信に満ち満ちている時の立ち方をする。その状態が最高潮に達した時、握り拳をつくって、力強く、はっきりと、「イエス！」と言う。自信に満ちている時と同じように呼吸する。

そしてもう一度握り拳をつくり、先ほどと同じように「イエス！」と言う。今度は自信に満ち溢れ、同じ言い方で「イエス！」と言う。

もうそういう経験がない場合は、そうなったら自分がどうなるかを想像してやってほしい。自信に満ち溢れ、落ち着きのある人にふさわしい生理状態になる。本書の他の練習を同様、実際に試してみてほしい。ただ読むだけではだめだ。実行しなければその不思議な力はわからない。

今日から数日間は、これを何度も繰り返してほしい。

握り拳をつくっただけで、好きな時に、一瞬にして自信に満ち溢れた状態をつくり出せるようになるのに、それほど時間はかからないだろう。一度や二度では無理かもしれないが、繰り返し練習すればすぐできるようになる。

十分に高揚した状態で、選んだ刺激が独特なものであれば、一度か、二度繰り返しただけでもアンカリングできる場合もある。

アンカリングは一瞬にしてあなたの状態を変える力がある。従来の積極的思考法では、いったん立ち止まって、考えなければならない。能力を発揮できる生理状態になるには、時間と意識的な努力が必要だ。

ところが、アンカリングなら、一瞬にして持っている能力を呼び覚ますことが可能なのだ。

アンカリングは、「積み重ねる」ことでより効果を高められる。同じように能力を発揮できた時の経験を次々と蓄積していくのだ。

たとえば、私は空手の師範のような生理状態と姿勢をとることで、もっとも能力を発揮できる状態になれる。その状態の時なら、火の上を歩いたり、スカイダイビングをしたり、いろいろなことに挑戦して、難題を克服できた。

その結果、今ではそれと同じ握り拳の握り方すると、力がみなぎってくる。私はスカイダイビングやハワイでの夜間ダイビングはもちろん、ピラミッドの上で眠り、イルカと泳ぎ、火の上を歩き、限界を打ち破り、スポーツの試合で勝ったときの経験も積み重ねてアンカリングをし、成功の確率を高めていった。

これもまた成功が成功を呼ぶ一つの例である。力と能力を発揮できる状態でいることによって、力がさらに高まり、より能力を発揮しやすくなるのだ。