第1070冊目  入社1年目の教科書 [単行本(ソフトカバー)]岩瀬 大輔 (著)

入社1年目の教科書

入社1年目の教科書


仕事は復習がすべて


移動中の車内で、皆さんは何をしていますか。


僕はメモ帳を拡げることがしばしばあります。一日を通じて気づいたことについて復習するためです。


仕事中に取ったメモを読み返し、新たに気づいたことがあれば、メモに書き込んでいきます。そして、あとからもう一度その内容を読み返します。そうすることで、気づきや学びを定着させることができます。どんな些細な仕事でも、必ず気づきや学びはあるはずです。まずは自分の仕事のヒントとなるようなことを、どれだけ多く気づくことができるか。「気づく力」のような感性を磨く必要があります。


復習をする意味がもう一つあります。覚えたこと、学んだことを自分のスキルとして定着させるのです。


人間は忘れる生き物です。復習したからといって、すべてを覚えられるわけではありません。でも、復習をしなければ、同じことの繰り返しです。復習によって知識や経験を積み重ねるこで、ようやく成長することができるのです。


せっかくの学びや経験をその場限りの出来事で終わらせないでください。その場限りで消費されるものにしないでださい。常に積み重ねること、蓄積することを考え、自分のストックにすることを意識してください。


仕事には相手がいます。過去の経験や知識を蓄えようとしない人は、次に相手と会うときのスタートラインにずれが生じます。仕事が円滑に進まないばかりか、相手から仕事に対する意欲を疑われてしまう可能性もあるのです。そう思われてしまった場合、次のチャンスは訪れません。実にもったいないことです。


忘れることを最大限に防ぎ、知識と経験のストックを増やすことで、仕事のスピードも一気に上がります。スピードが上がればチャンスも増え、チャンスが増えればストックも増えるという好循環に身を置くことができます。


どうしても自分で解決できない問題を早く見つけることもできます。わからないことは可能な限り早くつぶしたほうが、前進するときの障害になりません。上司や先輩からフィードバックを受け、人よりも早く前に進むためにも、復習することを忘れないでほしいのです。