第1063冊目  エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163 [単行本]トム・ピーターズ (著), 杉浦 茂樹 (翻訳)

エクセレントな仕事人になれ!  「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163

エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163

プレゼンテーションの技術を磨け(世界は一七分で変えられる!)


二〇〇八年六月四日午後、CNNテレビはこんな解説を放送した。「彼は無名の州議会議員にすぎなかった。しかし、二〇〇四年の民主党全国大会で行った一七分間の基調講演で一躍『スター』となり、上院議員を二年だけ務めた後、彼――バラク・オバマ民主党の大統領候補になろうとしている」


この本の「はじめに」で触れたように、私が二〇〇四年七月二八日に自分のブログサイト、?tomperters.com?で最初に書いた文章は、オバマのこの演説に対する称賛の言葉だった。「いいスピーチは聴けばわかる。イリノイ州上院議員候補バラク・オバマ民主党全国大会で行った基調講演はまさにそれだ。演説の中身については、政治的立場によって異論もあるだろう。しかし『アート』の域に達したスピーチの腕前は誰も否定できないはずだ。明快で説得力のあるテーマ。完璧な名調子。聴衆に訴える力。ユーモアと謙虚。強く印象に残るエピソード高揚感に満ちたフレーズ。そして絶妙のタイミング」


わずか一七分だ!


たった一七分間でこれだけのことをやっとのけたのだ!


一七分間を上手に使えば、妻と娘たちをつれてホワイトハウスに引っ越せるのだ!


一方、われわれ「凡人」はどうだろう? プレゼンテーションのスキルは人によって様々だが、「最低」「ひどい」「ふつう」あたりのレベルでは、手痛い失敗をやらかすか最初から尻込みしてしまうかのどちらかだろう。「まずまず」「かなり」のレベルでも、自信はなかなか持てない。つまりプレゼンテーション技術のせいで、他の面ははとびきり優秀な人材が能力を生かせずにいるケースが多いのだ。これはどんな部署でも、どんな規模のビジネスでも、どんな業界でも同じだ。にもかかわらず、自分のプレゼンテーション技術を向上させるために必死で努力している人間に出会うことはめったにない。


それではダメだ。


どうかよく考えてほしい。


すくなくともプロの職業人として、プレゼンテーションの技術を磨くために全身全霊を賭ける覚悟を持ってほしい。


そうすれば、あなたの業界の「ホワイトハウス入り」も夢ではないかもしれない。