第1064冊目  できる人の仕事のしかた [単行本(ソフトカバー)]リチャード・テンプラー (著)

できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた


人がすることを非難しない


また、同じ部署のスタッフみなでワインバーに行くようだ。正直なところ、もういいかげんにしてほしいとあなたは思っている。タバコの煙が漂う混雑してうるさい店で、昨夜のテレビの話や、同僚のうわさ話をするのは、うんざりだ。


この気持ちをそのまま彼らに話すだろうか? そう、もちろん話さない。

あなたは職場の一員として、周囲に溶け込まなければならない。実際に一緒に行かなくても、あなたの魂は彼らとともにワインバーにある。それが仲間というものだ。あなたはただ、買い物がある、友達を訪ねる、スポーツジムに行くなどと言って断ればいい。


職場の人たちが、勤務外の時間をどう過ごそうと、あなたはそれに意見してはいけない。批判めいたこと口にしたら、仲間ではなく外部の人間だとみなされてしまう。


会社に残って仕事を片づけるという言い訳もいけない。付き合いの悪い会社人間だと思われる。しかし、買い物があるという理由なら大丈夫だ。そうして、どこかでサンドイッチでも食べながらくつろげる場所を見つければいい。もちろん、膝の上にはノートパソコンだ。こうすれば仕事も片づけれらるし、彼らにばれることもない。


「あとで顔を出すから、私抜きでやっててくれ」あるいは「私の分も飲んでてくれ」――こう言うのが正しい。こうすれば、実際に仲間に入ることなく、ワインバーのご一行様の仲間だと思わせることができる。あからさまに非難しなければ、仲間だと認められるのだ。


ぐっとこらえて、実際にワインバーに行くという選択肢もある。行ってみれば意外と楽しかったということもあるかもしれない。ともかくあなたは、周りに溶け込み、同僚の行動を批判しているようなそぶりを一切見せない。それが賢明な行動だ。


他の人が余暇の時間をどう過ごそうと、人生をどう生きようと、あなたには関係のないことだ。賢く自分が進む道に集中し、他の人が選んだ道はいちいち気にすることはない。


気にしなければ、批判する気は起こらない。批判すると、あなたキャラクターが決まってしまう。「そういう人」と思われると、状況によって柔軟に自分の態度を変えることができなくなる。他人を批判すると、逆に自分の型にはめられてしまうのである。