第1059冊目 BI捜査官が教える「第一印象」の心理学 [単行本]ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学


自分の存在をどう見えるか


私たち――すべての人が――地位が高くても低くても――常に人から評価され続けている。切れるやつか冴えないやつか、感じがいいやつか面白みがないか、キビキビしているかくたびれて見えるか、好奇心がありそうか退屈そうか、自信たっぷりかおどおどしているか、教養があるか頭が混乱しているか、腰が低いか威張っているか、そのほかさまざまな点を見定めようと、いつも観察されているのだ。これを逃れることはできず、私たちの日常の一部でもある。では、自分という存在をどう見せたいだろうか? あなたはリーダーらしいだろうか、子分らしいだろうか、仕事ができそうに見えるだろうか? できなそうに見えるだろうか?

大成功を収めた人たちを見てみると、ある一定の態度が見られることに気付く。私の好きな例をひとつあげよう。ジャマイカからの移民を両親にもつ彼は、ニューヨーク市のサウスブロンクスで育った。彼が部屋に入ってくると、ひと目で自信と信頼性に溢れていることがわかる。人々の注目と尊敬を集め、物おじせず、それでいて謙虚でもあり、穏やかで、礼儀正しく、魅力的だ――そのすべてを、彼が口を開く前からみんなが感じとる。いったん口を開けば、その知性と頭の回転の速さと冷静な話しかたで、また人々を魅了する。

すごい。私たちもこんな完璧な態度をすべて真似できたなら、数々の立派な組織のトップに名を連ねることができるだろう。彼の名は、コリン・パウエル国務長官統合参謀本部議長の職務など、数々の偉業をなしてきた人物だ。ブロンクスで育った少年が、ベトナム戦争の兵士へ、そして政府高官へと、どのようにして転身していったのだろうか? 彼は懸命に努力し、尊敬できる成功者を模倣した。また軍隊では手本となってリードする方法を学び、模倣となるにふさわしい人格を築き上げた。彼は成功のノンバーバルをはじめとして、最も重要なことを身につけた。さあ、いくつかの、基本的ではあっても非常に大切なノンバーバルに注目し、どうすれば自分をすぐれた存在に見せられるかを考えていくことにしよう。