第1024冊目  「権力」を握る人の法則 [ハードカバー]ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)

「権力」を握る人の法則

「権力」を握る人の法則

頼みごとは案外うまくいく


頼みごとは、少々大胆でも案外うまくいくものである。キース・フェラッジのケースを学んだ後で、私のクラスのある学生は実地に試してみた。この学生はイギリスのコンサルティング会社の社長から直々に声をかけられて採用が決まっていたのだが、そのトップに、年一回のランチを提案してみたのである。すると月一回にしようと逆提案され、メンター役を務めることも向こうから申し出てくれた。またデトロイトコンサルティングで働くローガンの場合には、働きはじめてまもなく組織再編があり、顔も知らない新所長がアトランタ・オフィスに赴任してくることになった。新所長は、挨拶代わりに一人ひとりと三〇分の面談を行うという。そこで、すでに優秀なコンサルタントとして高評価を得ていたローガンは、どうせ昼メシを食べうるなら面談はそのときにしませんか、と申し出る。新所長は快くOKし、ローガンはその機会を利用して早くも上司と仲よくなることができた。