第983冊目  小泉進次郎の話す力 [単行本(ソフトカバー)]佐藤綾子 (著)

小泉進次郎の話す力

小泉進次郎の話す力

クリントン流、表情筋の巧みさで飽きさせない


30以上もある表情筋は、私たちの感情の動きにしたがって絶えず動きます。

私の実験室でもう1000人以上のデータがある2者間の普通の対話時間中、ニュートラル(中立)と呼ばれる、表情筋がほとんど動かない時間は、1分間あたり平均28秒です。ところが、小泉純一郎氏は絶えず表情筋が動いていたのです。

彼の表情の特徴としては、口の両サイドの口角拳筋がよく動くこと、話すときに大きな声で呼びかけながら、目を大きく見開き、ほんの少しでも面白さやとりを見せる必要がある時は、目尻の筋肉に少しシワを寄せ、いわゆるカラスの足跡とつくって、楽しくてたまらないというように表情を巧みに変えました。

これは、クリントン大統領が大統領在任中によく使った表情筋の動かし方です。

小泉純一郎氏の表情筋の動かし方は、強くダイナミックに訴えかける現在のオバマ大統領のそれとは少しちがいます。物事をおもしろがっているというふうに眉頭を上げ、目尻を下げて目を大きく見開き、口もとにちょっと笑いを浮かべるクリントン流のほうが、どちらかといえば近い動きです。

ちなみに、クリントン氏は表情がとてもよく動くので、ターキー、七面鳥というあだ名があったくらいです。日本の政治かであれば、顔の七面鳥は、間違いなく小泉純一郎氏です。