第933冊目  なぜあの人は人前で話すのがうまいのか [単行本]中谷彰宏 (著)

 

なぜあの人は人前で話すのがうまいのか

なぜあの人は人前で話すのがうまいのか

話す前に、何秒で話すか決める。


大勢の前で話す時、「何秒で話そう」と決めないと、ダラダラした話す方になります。

自分が「1分話した」と感じた時、3分は話しています。

その感覚はズレるものなのです。

その場の雰囲気で、自分は発言できるのは何秒か、必ずわかります。

話す前に、自分が話すべき秒数を逆算するのです。

たとえば、1分で話そうと気めます。

その時、「何分」とカウントせず、「何秒」でカウントします。

「1分半」ではなく、「90秒」です。

1分、2分という大ざっぱな刻み方では、発言する人が1000人いたら、大きな誤差になります。

テレビで、1回に話せる単位は10秒です。

それ以上話したら、「話が長い」ということになるのです。

その時、話を時間内でまとめるためには、「何を話さないか」が一番大切なのです。

「時間を有効に使う」「情熱を持ってやる」というだけでは、具体的ではありません。

それは、「一生懸命やります」と言っているのと同じです。

具体的でないと伝わりません。

「次回気をつけます」と言っても、「何を気をつけるの?」と言いたくなります。

「時間を大切に」は、道徳論です。

具体的に話しているつもりで、ちっとも具体的ではないのです。

「情熱をもってやる」というのは、失敗しても、修正のしようがありません。

自己紹介だったら、「冒頭と最後に、自分の名前を入れる」というのなら、具体的です。

「戦略的」にやることが大切です。

「1分では言えない」というのは、「1分」をバカにしています。

テレビのコマーシャルは、みんな15秒です。

1分は、それが4本も使えるのです。

私はコマーシャルの世界で生きてきた人間なので、1分はとても長いと感じます。

「1分しかない」と言っている人は、10分やっても、「10分しかない」と言うのです。

時間の悪口を言っていてはいけません。

それでは、「1分」が気を悪くします。

自己紹介も語れないぐらい価値がないのかと、「1分」が落ち込みます。

1分を有効に生かしてやるのです。

「たかだか1分」などと、かわいそうなことを言ってはいけません。

15秒でも、3分でも、1時間でも、すべての時間を尊重することが大切なのです。